バンクシーをはじめて知ったのはblurのアルバム『think tank』のアートワークを通じてだった。
この映画は(Mr.Brainwashにまつわる部分など)いわゆるモキュメンタリーなのかと思いきや、基本的にはドキュメンタリーみたい。
主観ではバンクシーは本物のアーティストで、一方のMBWは所詮まがい物のゴミにすぎないと思うが、ではその違いは何なのかと問われるとよく分からなくなる。
マドンナのアルバムジャケットを製作(?)し現在もNYにギャラリーを持っている(らしい)くらい成功したMBWは、実績からみればじゅうぶん立派な「アーティスト」だろうから。
「(バンクシーが皮肉に語るような)アートはジョークなのかも」ということはないと自分は思うけれど、でも同時に結局のところすべては好き嫌いという主観にすぎないのかもしれないとも思う。
秀作だが、鑑賞後にややもやもやも残る作品。