男子寮に忍び込む影は誰か？それはジョン・キューザックの彼女ウェンディ・ガゼルで、キューザックに会いに来たのだが、明日の試験が赤点だと一緒に行くジャマイカ旅行が頓挫するためキューザックは帰れ！と言うが、やっぱ赤点で項垂れる、がしかし、担任には人情があり、キューザックは空港に向かうことになるが時すでに遅し、彼女はすでに機上の人・・・くそお、追うっきゃない！という80Sらしいハチャメチャなロード・コメディで、キューザックのナードな魅力が炸裂した快作だと思う。これを監督した『トロン』（82）のスティーヴン・リズバーガーは元アニメ作家だというだけあって漫画的破壊力が本作の魅力だと言えるが、さておき現在からすると、ガゼルに色目を使うチンピラ役をベン・スティラーが演じており、つまりキューザックはスティラーから彼女を取り戻すという展開となる。

珍しくロン毛のジョンキューさんがかっこいいぜ！ジェリー・スティラーとベン・スティラーの親子が共演している作品でもあり、作中でも親子という役柄。私はこの作品をカレッジ・コメディだと思い鑑賞したが、この中途半端な立ち位置は何なのだろう…。肝心のお話の方も一体どうしてこうなったという出来で正直つまらない。コメディらしさもほとんどなく、薄味のアクションもどきとサスペンスもどきの演出が小間切れに投入される。何もかもが中途半端の駄作。