保安官のウェインは文化人類学者の妻と長年住み慣れた退屈で大切な田舎町を離れ新生活へと歩みだそうとしていた。諸々迷いはあれど諸々の準備を済ませた勤務最終日、事件は起きる。本来群れないはずの悪魔の目とも呼ばれ犬よりも利口だというワタリガラスが大群で人々を襲い始めたのだ...
いきなり主人公夫婦が引っ越そうとしている閉鎖的な村を舞台に、また閉塞的なアーミッシュないしメノナイトの方々も題材に、そして原因よりも先に意味を見出してしまう方を諸悪の根源に据えた、
手持無沙汰で何かせずにはいられない、危険や驚異を目の前にして動かずにはいられなかったが故の、何もしなかったら何も始まらずに終わっただけの、いやでもそれは結果論に過ぎない、いやいや何もしなかったからこそ始まった、
人間の生活圏と生活様式、生活の手段が烏の襲撃によって如何様に崩壊しうるのかとするざっくりとした見立てと共に紡がれていく、本来見えてこなかったはずのナニカが暴き出されていくまた見出されていく人間模様は、特に多くは語られないクライドとベティの関係もあって、もう少しいやもっともっと覗いてみたいとする魅力のあるものだった。
「鳥」(1963)...「バイオハザードⅢ」(2007)...「ミスト」(2007)...「ZOO 暴走地区」...