半兵衛

東京のえくぼの半兵衛のレビュー・感想・評価

東京のえくぼ(1952年製作の映画)
3.6
「日常を真面目に生きる大切さ」を説教がましくなく、ユーモアを交えて優しく語っていく松林監督と小國英雄脚本の優れたセンスに劇中の上原謙社長同様いつしか癒されていくはず。主人公のヒロイン演じる丹阿弥谷津子も聡明な秘書という役柄がはまっていて、いつもより凄い美人に思えてくる。

丹阿弥の下町に住む母親に清川虹子、父親に柳家金語楼とナイスなキャスティング。そして小林桂樹や高峰秀子、古川ロッパ、伴淳三郎といった有名な役者が次々と監督デビュー作のご祝儀として出演するあたりに松林監督の人柄が垣間見れる。

上原謙の朴訥で何処かぬけている社長ぶりも味がある、そして実際に楽器演奏の経験があるだけにホルンを演奏する姿がよく似合う。

デビューしたばかりの初々しい、それでいてこの頃から体型をネタにされている三原葉子(丹阿弥の妹役)も見所。
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