韓国映画百選

江原道（カンウォンド）の港町束草（ソクチョ）にあるチケット喫茶店で働く女性たちを描いた物語。チケットとは、客と女性たちの交渉額を記載した紙のことである。ミン・ジスクはやり手の経営者で、ファスン（ミョンヒ）と３年間この仕事をやってきたが、このたび新たにヤン（アン・ソヨン）、ホン（イ・ヘヨン）、セヨン（チョン・セヨン）を店に招いた。彼女たちには春を売る仕事をさせているが、漁民たちは、しばらく漁に出かけて帰ってくると、彼女たちと過ごすのを楽しみにしている。

ホンは両親の薬代を稼ぐために必死で稼ごうとする。ヤンは映画俳優を目指し、撮影に来た監督たちに媚びる。セヨンは若く清純な印象を持ち、みんなに可愛がられた。ミンス（チェ・ドンジュン）という彼氏がいて、それゆえ身持ちの固いところがあったのもその印象を強くした。しかし、みんな普通の幸せを欲しても、それを手に入れることができない。

ジスクは、元は詩人のドンミンと結婚し、息子たちがいたが、離婚して子どもを手放した過去があった。ドンミン曰く、「人生はバスだ」、「一度去ったバスは戻らない」と。そのような巻き戻せない人生についての哀しい物語をジスクが最後に自身で示すところが見どころである。

チョン・セヨンが清純なところから、色んな意味で擦れていくところも大変印象的でした。彼女はこの作品で 大鐘賞映画祭新人演技賞を受賞しています。

韓国にも80年代的軽やかさを体現し得た映画があったのだなあと発見。グォンテクはまだ数本しか観てないが、どれも結構面白いしもっとdigりたくなった。