よ

ニースについてのよのレビュー・感想・評価

ニースについて(1930年製作の映画)
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花火に始まり、上空からニースを捉えた映像が続く。

踊り子が脚上げて踊っているカットと、歩く人をマンホールの中からカメラを上に向けてカットを並べるセンスの良さ。雲の後に波のカットを並べたりと、一見全く違う物質が、画面を通して似たものに見えてくる。
冒頭の、観光人客風の人形が、チェス盤(?)に乗せられてチップとともに熊手でかき集められるカット、中盤での掃除人が道端のゴミをかき集めるカットが、似た動きだった。なんか意味がありそう

固定された画面での、人間の水平の動きや奥行きに向かって歩く動きが面白かった。

ジャン・ヴィゴは普段からこういう風に日常を見ていたんだなと感動する。

後半からは、若い娘と老人、彫刻と人の皮膚(?)、富と貧困の対比がなされていた。ニースという観光地に対する光と影を如実に表していた。
踊り子のスローモーション良かった

最初の花火のカット以外夜のシーンがなかったのは、カメラの技術がまだ進んでいなかったからなんだろうか。観光地としてのニースはきっと昼より夜の方がお祭りなんだろうな、と空想させられる
よ