MossMiLL

苦役列車のMossMiLLのネタバレレビュー・内容・結末

苦役列車(2012年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

三年後がすっごいよくて…………本当に何もかもがすごくよかった。
あの海と、書いてる背中の美しさ。
落ちてきた、あの衝撃。意味不明の緩急、静けさ。すごくいい。
前田敦子も声がかわいくて一輪の花ってかんじ。手舐められても襲われかけてもヒスらないなんていい子だなあ。
森山未來がただのチンピラのゴロツキクズにしか見えない。本当に。まだ高良健吾とかオッサンたちはまだ演技なんだってどこかで安心してみれたけど、こいつはなんか異様に生々しかった。目付きといい佇まいといい喋り方といいしぐさといい…本当にその辺のクズ引っ張ってきたんじゃないのか、ってかんじで。一人だけ本当に生きてる人間で、スクリーンを飛び出してきても普通にそのまま街を歩いていくんだろうって感じで、ヤバかった。
北町貫太。
キモいし怖いしただのクズなんだけど(家賃滞納して立ち退かされた部屋にウンコしていこうとするし、女見ればヤることしか考えてないし15から風俗通いで日雇い人足だし)の底辺の生活でしかないんだけど。
映画って不思議だと本気で思ったのははじめて。どこがいいんだか自分でもわからない。「いい話」でも全くない、主人公の考え方に共感できるわけでもない。それでもただただ最後の背中が眩しかった。きっと小説なら、考え方の歪みや身勝手さに目がいって、こんなふうに感動はできないんじゃないかな。
凄かった。
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