中ンティンタランティー山

苦役列車の中ンティンタランティー山のレビュー・感想・評価

苦役列車(2012年製作の映画)
4.3
ひさびさに心にズドンとくる映画見た
森山未來演じる主人公の北町貫太はまあそれはかなりのクズ野郎。父親が中学生だかに性犯罪を犯し、中学は出たものの日雇いで食いつなぐ毎日を過ごしている。父親のせいで所謂"ふつうの"生活を送れないにしてもとことん堕落した貫太。日雇いで稼いだ金は酒、たばこ、風俗に消える。本人も自分はダメ人間だという認識はありつつも、まだ他人とは違う何かがあるという希望を持ってトコトン他人を見下し、皮肉る。そんな貫太も恋をし、初めて友達とも言える人間が現れるのだが、それも貫太自身の言動や行動で無駄になる。
貫太と対照的な爽やかで精悍な高良健吾が演じる青年、日下部正二。この日下部との対照がそりゃもう切ない。日下部に彼女ができて、その彼女の友達を紹介をしてもらうという名目で飲み会をするのだが、自分とはギャップのありすぎる、今でいうキラキラ意識高い系学生の話は貫太の鬱屈し、捻くれた性格を刺激し、耐えられなくなる。その強烈な勢いで不平不満をぶちまける貫太こと森山未來の演技がまあクソッタレ野郎が過ぎる。笑
そこがまた人間らしくて素晴らしいんだけどね。終盤のシーンでの貫太の「俺たちまだ友達だよな?」という問いかけがまた切ない。
あと、劇中でも小説でも度々出てくる貫太がハイライトを吸うシーンがついついカッコよくみえてしまうのは何故なのか。
ついつい長くなっちゃったけど、まとめられんくらい染みるシーンが多すぎてぜひいろんな人に見て欲しい。とくに自分はダメダメのボンクラ野郎だなって思う人に
自分も、そんな1人です