ろくすそるす

フリーウェイ/連鎖犯罪 逃げられない女のろくすそるすのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

オリバー・ストーン監修の映画で、「赤頭巾ちゃん」のパロディーを、売春と薬と異常犯罪者、そして糞みたいな権力に溢れた掃き溜めのような世界で作り上げたという設定がまず魅力的。
 売春をして金を稼ぐ母親と、娘にナニをSUCKさせる仮出所中の麻薬漬けの義父。この狂った家族がポリ公にまたしてもとっ捕まってしまったため(逮捕シーンの異常さが絶妙)、一人里子に出されそうになる娘が、実の父の方の祖母の元へ逃走を計る。
 しかし、折しもフリーウェイで連続少女殺人事件が発生中。物語は、狂った《狼》と不良《赤頭巾》との邂逅になって、思わぬ展開へ転がってゆく。
 糞みたいな親からの影響で不良に成らざるを得なかった主人公が、刑事の偏見から、レッテルを貼られることへの不満を覚え、自分は「ナチュラル・ボーン」な不良ではないという葛藤を抱くところは良いが、だんだんとテーマが雑になってきて、結局リベンジものっぽくなる。
 中盤は話が女囚ものとなっていって、途中それで良いのかよ、と突っ込みを入れたくなる場面もあったが、ラストは本筋の赤頭巾に戻って、一安心(結局これがやりたかっただけ、なんだろうけれども笑)。
 『デス・プルーフ』のカート・ラッセルばりの怪物的な演技をするキファー・サザーランドの恐ろしい生命力と顔芸が見所だが、彼の妻役のブルック・シールズの俗物な婦人感がととても面白く、見所のある狂ったパルプ映画だった。