ソ連の最強アマチュア王座イワン・ドラゴ戦に勝利して亡き親友アポロ・クリードの無念を晴らすとと共に米国の英雄となったロッキー・バルボア。一方で激戦の末に肉体は合併症を患い、引退するも義兄ポーリーのミスで資産をも失ってしまった彼が、ままならぬ生活の中で再度リングに上がるべきか逡巡する様を描いたボクシング映画です。
80年代後を代表するアクションスターのスタローンが生み出して四作連続で二億ドル超のヒットを記録した看板シリーズの第五弾で、二作目以降は自ら担った監督に第一作のジョン・G・アヴィルドセンを迎え入れて臨むもラズベリー賞にノミネートされるなど評判は芳しくなく、興行収入でもシリーズでは最低の1.2億ドルまで落ち込みました。
完成された第一作故にそもそもシリーズ化に無理のあったロッキー。栄光のスターダムに国家の英雄と背伸びを経て地元フィラデルフィアで紆余曲折の中で手にしてきた全てを失います。あまりに強引な作劇はスマートではないですが、洗いざらいを捨てちまって何もかもはじめからやり直しておまえの笑顔を探す、路上のルール響く一作です。