海老シュウマイさんの映画レビュー・感想・評価

海老シュウマイ

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悪い夏(2025年製作の映画)

2.0

最後、コメディに落としてくれたことで、したり顔の「社会派」ではないことがわかり安心。原作未読だけど、しょせん「横溝正史ミステリ大賞」なのだと再認識できた。

とはいえ、「考えさせる風ではない」というの
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聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~(2024年製作の映画)

2.0

このシリーズ、原作コミック、アニメ、映画すべて未見で本作が初体験。なので、もうピークは過ぎて、この「出がらし感」は仕方がないのかも。
おそらく映画序盤の日常風景がメインで、そこで人気を博し、後半の対決
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ミッシング(2024年製作の映画)

2.0

感想を書き始めると、監督や石原さとみへの個人攻撃、果ては宇多丸やレビュアー批判まで始まってしまうのだけど、

この監督のいつものやり口として、
登場人物たちはどれも常に小さな露悪を見せ、微妙に嫌なセリ
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僕らは人生で一回だけ魔法が使える(2025年製作の映画)

1.0

大好きな返報性のやつだし、フレッシュなキャスト達も良かったのだけど、やはりお話も演出もニッチな空間向きだったんじゃないか。

桜や花々が綺麗に咲く映像は、一見、映像化した意義を感じられるように見えて、
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唄う六人の女(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

すごいアーティスティックな雰囲気出してるけど、『はたらく細胞』と同レベの発想。

そして、あちらでは永野芽郁の太ももやら、芦田愛菜の体内という斜め上の性癖が開花しそうだったけど、こちらも。

「母なる
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はたらく細胞(2024年製作の映画)

2.0

この監督/脚本のコンビの過去作に対しては、「一見、良いことを言ってそうだけど、実は酷い問題を孕んでない?」って感想になるのは、それぞれ原作ありきなのに不思議。

本作は原作時点での構造的な欠陥な気がす
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ショウタイムセブン(2025年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

日→韓というネタバレ状態で観たのにオリジナルのほうが100万倍面白かった(後半、別物だけど)。

狭く密閉された空間のワンシチュエーションは緊迫感を盛り上げるし、後半はアクセントを付けてメリハリが効い
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ゆきてかへらぬ(2025年製作の映画)

2.0

当たり前だけど、文化人や文学者を扱ったお話だからと言って、それが自動的に文化的、文学的なものになるわけでもなく…これ昼ドラで100万回やってないか?

刺激にあふれる現代からすれば、さほど奇抜でもない
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サンセット・サンライズ(2025年製作の映画)

3.0

『寅さん』と『釣りバカ』を混ぜてから『あまちゃん』をふりかけて、観客の期待の半歩先を見せ続けるという大衆娯楽作の王道メソッドを踏襲しつつ、
画面内では菅田将暉にいつもの子犬キャラをやらせるわけで、それ
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うちの弟どもがすみません(2024年製作の映画)

3.0

最近では100%恋愛脳の主人公もキツいなと思い始めてしたところ、本作の畑芽衣は良かった。

ある意味、虐待とも言えるような過酷な環境に追い込まれた畑芽衣が、彼女なりの思考と工夫によりサバイブしていく姿
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こころのふた~雪ふるまちで~(2024年製作の映画)

1.0

本シリーズ共通の、
●似た設定の登場人物(本作だと芸妓志望/芸能事務所)
●5分前のシーンを再びセリフで説明(癌のくだりや「日記」)
は、ここまでくると作家性というか病理というか。
さらに本作では、
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室町無頼(2024年製作の映画)

3.0

なんすかね、このカリフォルニアロールを日本で食わされてる感じ。それが身近な寿司文化に影響を与えていないのと同様に、本作の勝ち筋が全く見えないけども。

寿司ネタはシンプルなのがいい。大泉洋と長尾謙杜っ
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アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師(2024年製作の映画)

2.0

映画という枠に収まっているし、全体として痛快だったけど、原作ありきという点を考えれば特にすごいリファインではなかった気が。

原作未見だけど、3人ぐらい途中からモブになるのは何なんだろう。彼ら、彼女ら
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六人の嘘つきな大学生(2024年製作の映画)

2.0

「優秀」なはずの学生達が、リアリティの薄いシチュエーションに疑問なく従い、すぐに善人/悪人のレッテル貼りに流れる浅はかさに首を捻っていたところ、

ああそうか、学生の作るビジネスプランなぞに価値がある
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ラストマイル(2024年製作の映画)

1.0

いまさらな話、ラストマイルってラストワンマイルのことだと思うので、商品倉庫はもちろんのこと、出荷後の拠点間輸送も含まれず、最後の最後に玄関まで届ける部分だけを指すんじゃないのか。

そして、そこに個人
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新幹線大爆破(2025年製作の映画)

1.0

パニックアクションとして全然楽しめたし、能年玲奈が運転士役やエンジニア役に女性を配するなど現代チューニングも良い感じ。

ただ、オリジナルがこんな明日には忘れてそうなペラペラなエンタメ作だったかは思い
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もしも徳川家康が総理大臣になったら(2024年製作の映画)

1.0

原作未読。ビジネス小説として、リバタリアンの政権批判はこんな感じなんですかね。投票傾向としては中道右派の「第三極」あたり。

そのへんを東宝のビッグバジェットで盛大にやられると警戒心しかないけども、実
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ゼンブ・オブ・トーキョー(2024年製作の映画)

2.0

監督が熊切和嘉やら、大したことも起きない熱量の低いお話やら、ベタやキラキラを廃した企画意図は理解できるし、
「サイレントマジョリティー」のMVのように、都市の再開発とアイドルの始動、成長というのは映像
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矢野くんの普通の日々(2024年製作の映画)

2.0

原作未読。おそらく原作では、「普通」とは何か、自分よりも誰かのことを気にかけてしまう自然な感情や、運命/呪いを乗り越える成長譚を目指して作られてそうだけど、映画では原作つまみ食い感しか伝わらず。

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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

1.0

下品だわ〜これ
キャラクターのテイストは全く違うのに「ちひろさん」の感想と同じになる。

「弱者」は常に善良でピュア、「強者」はその反対という、いつもの記号的描写で、社会問題や人々それ自体には関心がな
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あの人が消えた(2024年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

パクリ/オマージュ論争もあるようだけど、どちらの作品も俺、あんまり好きくなかった!特にブライアン・シンガーのやつ。

信頼できないなんちゃらで、基本なんでもアリになっちゃうのは作劇として自滅していると
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侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)

2.0

インディーズでも作り手の自意識だけでなく、観客を意識した作りや、映画、時代劇、切られ役へのリスペクトも感じられ、主演の朴訥さもあり、誠実なエンタメ作品として全く嫌いじゃない。

ただ、主人公の感情を慮
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スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

2.0

問題は多そうだけど、一番は長澤まさみが魅力的じゃないこと。こんなコントで「演じ分けがすごい」もないもんだ。

そもそも三谷幸喜は、文化部系ホモソーシャルな世界が得意すぎて、女性を魅力的に描くことが苦手
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高校デビュー(2010年製作の映画)

3.0

時間を置いて寝かせてみると、今じゃ味わえない王道二枚目の溝端淳平やら、脇役に徹する菅田将暉やら、別人のような中学生の池田エライザやら、味わい深いものがあった。

全般を通した軽いタッチも、笑えるかは別
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Broken Rage(2024年製作の映画)

3.0

何かのインタビューで本人が、映画でキュビズムやらフォービズムを実行する実験とか言っていたが、
そんな小難しいことは知らんけども、要するに、「こんなヒットマンは嫌だ」として楽しめたからそれでいいのだ。

恋を知らない僕たちは(2024年製作の映画)

1.0

最近のこれ系映画で、不同意わいせつ描写を見かける頻度が高いことが気になる。「交換ウソ日記」、「あたしの!」など。

一時期、男子Sキャラが影を潜めると同時に、その描写も減っていたにもかかわらず、再度、
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

2.0

伝統芸能である殺陣へのリスペクトと、現代技術でブラッシュアップされたゴア描写が程良くバランスしていて良かったけどお話がなぁ。どれくらいプロット通りなんだろ。

一直線の勧善懲悪にしたくなかったのはわか
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新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!(2024年製作の映画)

3.0

古いアイドル像に媚びない藤吉夏鈴が大好きで、小林啓一も大野大輔も大好きなのだけど。
こんなにツルッとした出来になるとは。トゲトゲの取り扱い注意な夏鈴ちゃんが観たかった。

青春映画で「壇上からの演説」
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違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

3.0

変人たちの日常を見ているのは楽しかったし、この演劇臭は嫌いじゃなかったし、何より中島歩を筆頭にキャストは最高だったし、もっと観ていたいと思えるぐらいには楽しめたのだけど、仮に中島歩を他の人がやったとき>>続きを読む

夏目アラタの結婚(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一見すると、途中でジャンルの変わる映画に見えてしまい、せっかく法廷サスペンスを楽しんでいたのに、そこはどうでも良いと言わんばかりに最後は慌てて風呂敷を畳み、いつの間にかラブストーリーに着地していて面食>>続きを読む

正体(2024年製作の映画)

1.0

そりゃリチャード・キンブルのお話だから美しいし、サスペンスフルで、一定の面白さは担保されるわけだけど。

冤罪を扱ったお話で「足利」という名前の扱いがあれでいいと思ったのか?

このテーマを扱うぐらい
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八犬伝(2024年製作の映画)

4.0

カラフルで派手な八犬伝のアクションパートで盛り上がっているところへ、いちいち腰を折ってくるジジババパートに舌打ちしていたところ、
鶴屋南北との邂逅シーンあたりから興味が完全に入れ替わり、結末がわかりき
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先生の白い嘘(2024年製作の映画)

2.0

この「男は全員性器を切り落とすまで許さない系」には深い断絶を感じざるを得ないし、

ここまで誇張された有害な男性性の表現では、受け手に「俺こんな異常者じゃないから」を許してしまう以上、伝えたい想いの熱
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言えない秘密(2024年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

「総理の夫」、「法廷遊戯」に続き、自分の中ですべて★1を叩き出す脚本、松田沙也氏。それぞれ原作ありきなのに。
少なくとも今作では、原作と異なる日本版チューニング部分が全面的かつ致命的に嫌いすぎる。
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あまのがわ(2017年製作の映画)

1.0

田舎の風景に溶け込む、福地桃子の異常な透明感がたまらないし、メッセージとして、テクノロジーが人間をつなぎ、生活の質を押し上げるのだというのも悪くない。

ただ、全般的にお話や登場人物を描くことには興味
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スパイスより愛を込めて。(2023年製作の映画)

3.0

各地でご当地グルメ映画を撮り続けることに飽きたのか、はたまたコロナでヤケになったのか、本作では設定モリモリでなかなかに挑戦的。

それ自体は新鮮味があり、ニヤニヤしつつ半笑いで楽しめたし、多くの自治体
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