まず第1に感動したのが塹壕でのシーンだ。ここまでリアルなシーンは見た事がなくモノクロ故に本物の様に見える。カメラの動きも60年以上昔とは思えないほど洗練されており動きに不可思議なところは皆無だ。さすが完璧主義者のキューブリックと言ったところで最初からのめり込ませてくれる。
裁判シーンではさらに雰囲気は増しており、セットは美しいほどの彫刻や小物で彩られており、セリフはシックで論理的で見応え十分だ。
全体的に言えるが影を使う陰陽が見事だ、奥行きも感じられるし、暗さひとつでシーンの1つに緊張感が走る。
総評としては、90分という短さが勿体なくまだまだ見ていたいと思わせる程の作品で最高に楽しませてくれた。
多様な人間性を映し出すことが非常に上手いキューブリックならではの反戦映画だ。