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古武道の使い手、葉山が、会社に暴れ込んだチンピラをねじ伏せたことから、社長令嬢香月から交換を持たれるが、彼には恋人、芦川がいた。びゅしょうの母の治療費の借金から芸妓になる…。古武道のハナシではなく、貧しさの悲哀に。脚本は助監督の井手探。

正確なタイトルは『「男対男」より　命も恋も』。大映の講道館もののような作品を想像したが日活得意の裏社会の連中が絡んでくる青春映画に武道テイストを加えた感じの作品だった。殴る、蹴る、関節技なんでもありでちょっと総合格闘技のような古武道が面白かった。先日観た「殺人計画完了」といい本作といい、この時期の日活映画における"おもちゃじいさん"こと植村謙二郎の存在感は注目に値すると思った。いつもながら芦川いづみが魅力的で本作ではロングヘア。主人公の勝利を願って一心に祈るシーンでの思いつめたような表情がたまらない。