いしくら

七月のクリスマスのいしくらのレビュー・感想・評価

七月のクリスマス(1940年製作の映画)
5.0
最高すぎるよー。マジかよー。泣

1940年の映画ということは、制作は1939年ごろだろうか。この年は第二次世界大戦勃発の年。ファシズムがいよいよ台頭し、アメリカは中立を表明しつつも、結果として戦争に参加することになる。あとは皆が知る歴史の通り。

そんな中、この映画でヒトラーを揶揄する一コマがあるのはスタージェスのささやかな意図を感じる。
しかしこの映画はあくまで極上にロマンティックなコメディ。ご都合主義とはこうやれ、と言わんばかりの物語。
ファシズムが台頭し世相が暗澹とした霧に包まれるなかで、市民が求めたのはこういう映画だったのだろうと思う。

結構酷い悪戯をされても、主人公は憎まない。粛々と自己を受け入れる。恋人は相手を信じ支える。その時その一瞬で全力で喜び、笑い、悲しむ。

あくまで最後のアレはおまけだ。スタージェスからのサービスだ。アレがなくても、人生は素晴らしいのだ。と、思える。

本当に最高の映画。映像のキレも冴え渡ってる。大好き。
いしくら

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