七月のクリスマスの作品情報・感想・評価

「七月のクリスマス」に投稿された感想・評価

コメディの名匠プレストン・スタージェスの人気を確かなものにした名作。タイトル的に7月にレビューすべきだったなと軽く反省…(笑)。

マックスフォード・コーヒー会社が主催するコーヒーの標語コンテストに応募した、別のコーヒーメーカー会社で働くジミー。優勝者には2万5000ドルが支払われるということで、渾身のキャッチコピーをエントリーするが、婚約者のベティはそんな彼を応援しつつもどこかあきれ顔。結果が届くまでヤキモキする日々が続くが、そんな彼を面白がった同僚がいたずらで彼が当選したという小切手を捏造したことから大騒動につながってしまう…。

ちょっとしたいたずらがきっかけで起こる大騒動を描いた痛快コメディ。嘘の小切手を発行して騙すなんてイタズラ、冗談が過ぎるし人格を疑いますが…(笑)。この”嘘”のせいでジミーとベティは想像を超えた1日を過ごすことになるわけですが、あっという間に街中にうわさが広がって、まさに芋づる式にハプニングを引き起こしてしまう展開は、スピード感満載で本当に楽しかったです。
そんなに尺の長い映画ではないのに、短時間ですごい数のキャラクターがどんどん出てくるからすごい!!監督ならではクスッと笑える楽しい脚本がとにかく秀逸で、自然と観入ってしまいました。

ジミーとベティの2人の熱い絆にもほっこり。夢は信じれば叶う、っていう王道だけど純粋なテーマは、いつの時代も不滅だし感動するんだなあと。「運」も大事だけど、日ごろからの努力の大切さみたいなものも教えてもらえた気がしました。
ゆう

ゆうの感想・評価

3.3
貧乏な主人公が懸賞に当たったと勘違いをしてお金持ちになったと思い込む。周囲は祝福するが、やがて誤りだと分かって貧乏人に戻るというお話。

でも、元の状態そのままに戻るわけではないし、お金の虚しさに気付くという展開でもない。

最初から最後までポジティブでハングリーなアメリカ映画。
たかや

たかやの感想・評価

4.5
決して上手いわけではないが、好き。

同僚のイタズラで大金を手に入れたと勘違いした男が、金より大切なものを手に入れるお話。

冒頭のティルトダウンするとアパートの屋上で、お金を手に入れた際の夢を語る2人、という状況からして素晴らしい。
lemmon

lemmonの感想・評価

3.7
社長素直、、、評価されてるから評価した🙄


懸賞金のかけられた大手コーヒーメーカーの標語募集。若手サラリーマンの主人公は、自身の能力を認めない会社に嫌気もあり募集。それを知った仲間の同僚が、彼に嘘の当選速達を送る。


勘違いが勘違いを呼び、とんでもないこととなるが、飛び火するのは人に他する評価の嫌らしさ。スタージェス監督、目線が鋭いが意地悪だな😆

才能ある人が、ほんの一握りの中、才能をわかる人がどれだけいる?
わからないのにわかった風な権力のある輩が騙される可笑しみ。
才能はないのかもしれないが、人の良さが売りの主人公に力を持たせたときの、力の使い道。


う〜ん、理想論かもしれなかいが、こうあって欲しいと願う😊


ここで出てきた標語は良い出来なの?悪い出来なの?どっちでも良い。
ぺ

ぺの感想・評価

4.5
コーヒー会社の標語コンテストの賞金を同僚のいたずらから思いがけず手に入れてしまう勘違いコメディ。

68分でこのスタイリッシュな濃密さ。
魚や野菜が飛び交う乱闘にヒトラーやムッソリーニを揶揄する一言スパイス。
ENDの出し方センス◎。
落語のようなわかりやすい人情噺に弱いのです。
最高すぎるよー。マジかよー。泣

1940年の映画ということは、制作は1939年ごろだろうか。この年は第二次世界大戦勃発の年。ファシズムがいよいよ台頭し、アメリカは中立を表明しつつも、結果として戦争に参加することになる。あとは皆が知る歴史の通り。

そんな中、この映画でヒトラーを揶揄する一コマがあるのはスタージェスのささやかな意図を感じる。
しかしこの映画はあくまで極上にロマンティックなコメディ。ご都合主義とはこうやれ、と言わんばかりの物語。
ファシズムが台頭し世相が暗澹とした霧に包まれるなかで、市民が求めたのはこういう映画だったのだろうと思う。

結構酷い悪戯をされても、主人公は憎まない。粛々と自己を受け入れる。恋人は相手を信じ支える。その時その一瞬で全力で喜び、笑い、悲しむ。

あくまで最後のアレはおまけだ。スタージェスからのサービスだ。アレがなくても、人生は素晴らしいのだ。と、思える。

本当に最高の映画。映像のキレも冴え渡ってる。大好き。
コーヒーのキャッチコピー募集に応募したジミー(1等は25000ドルの賞金)は自分のアパートの屋上で婚約者ベティと一緒にラジオでその結果発表を待ち構えている。2人の会話が次第に気まずい雰囲気になってベティが戻る際、ベティは段差から落下しそこにいきなり登場する黒猫。この直後にベティは花壇をひっかけてこれも落として割ってしまう。2つの落下と黒猫。

同じシークエンスで下の階の自室の窓からジミーの母親が屋上にいるジミーを呼ぶシーンでも上下の垂直軸が顕になり、多分この辺りはベティ及びジミーの人生における浮き沈みの比喩なんではないか(ちなみにここで一瞬登場するウサギ小屋にいるウサギのショットは何の意味があるんだろうか)。

ズボンのポケットから小銭を落とすジミー、これに対して「落とし物は福を呼ぶ」と喜ぶ母親(「落ちる」運動と幸福の問題)、そして終盤ジミーのオフィスに再度登場する黒猫(「これは幸せの予兆か不幸の予兆か」と不安がるベティに対しそこにいる掃除夫は「これから起こること次第」というトートロジカルな回答をする。要は運と必然の話だからトートロジカルなこの回答は極めて本質的)、そしてオチがついた後のラストショットで下降するエレベーターに乗り込んだベティとジミー、そのエレベーターの中から外に向けたカメラに一瞬映し出される黒猫。都合4回登場する黒猫と落下=下降運動の意味の変容。ついでにベティがたびたび呼びかける「Oh,Jimmy…」というセリフに込められたニュアンス/意味の変化。

冒頭で気まずい雰囲気になりつつもまさに別れ際に互いの愛を確かめ合うかのように抱擁を交わす2人と「Good night♡」の繰り返し、直後に階下から屋上に同じ「Good night!」(早く寝ろ!)と怒鳴る隣人のおっさんのセリフとの対比。67分といういかにも短い上映時間の中にミニマ厶な素材を上手く料理して簡潔かつスピーディに話を展開する辺りいかにもプレストン・スタージェス的な良作と感心しきり。
タイトルこそ「クリスマス」とありますが、クリスマスの要素は、ほぼない「ギフト」という意味での「クリスマス」という感じです。

尺が68分と、かなりのコンパクトサイズでありながら、多幸感がよく表現されたヒューマンコメディの名作。

小さな悪戯が勘違いの連鎖を生むという、ある程度顛末は読めてしまうものの、主演の二人のような振る舞いが出来るような人間でありたいという、お手本のような作品です。

黒猫の演出もキュートでよき。
ひかる

ひかるの感想・評価

4.5
68分。いままで、こんなに短い映画で、こんなに幸せな気持ちになったことはない。
登場人物全員が、大なり小なりの差はあれど、人間臭くて、それでも、なおかつ、芯から嫌な人間が出てこない。

物語は、ある恋人達。『多額の懸賞金がついている標語応募に当たったら…。』夢を語りだす男。やや気後れして続く女。だが、それが、夢じゃなくなった時…。
主人公の男は、欲がなく、女もまた自らには欲しなかった。行いはまるで、クリスマスのように…。と、なるのだが、それにも、ひと悶着…。自ら欲しなかった恋人達が望んだものは?願いは叶うのか?

ラストシーンまで、画面を追うのに夢中になった。予想がつく、と言われる方もいるかもしれないが、私には十分だった。

描かれた、物語に。人物に。ラスト、知らずに涙が流れた。

DVDにて。2019/12/10/。
あ

あの感想・評価

4.2
68分でこんなにちゃんと面白くて多幸感に溢れる映画すごい、オチは読めるけど登場人物みんな可愛くてにこにこになっちゃう、黒猫からのENDの入り方が最高だった