イチロヲ

怪談昇り竜のイチロヲのレビュー・感想・評価

怪談昇り竜(1970年製作の映画)
4.5
抗争中の事故により怪猫の呪いを受けた女侠(梶芽衣子)が、盲目の女剣士(ホキ徳田)との対峙を余儀なくされる。出演不可能となった扇ひろ子の代わりに梶芽衣子が抜擢されている、「昇り竜鉄火肌」のシリーズ。

「女王蜂と大学の竜」のプロットを下敷きにした仁侠ドラマに、怪談、アングラ、エログロをぶち込み、チャンポン鍋にしている作品。脚本家の曽根義忠は、後の曽根中生。当時のホキ徳田は、(別居中だが)ヘンリー・ミラー夫人。

主人公と接触するのは、義理人情に厚い渡世人(佐藤允)、愚連隊を率いる赤フン男(内田良平)、敵対組織の傲慢な親分(安部徹)など。高樹蓉子の「やめてぇ~ん」と、土方巽の「ゆるちてぇ~ん」がツボに入る。

女版座頭市役のホキ徳田が抜群の存在感を発揮しており、終局の直接対決は掛け値なしのベストバウトといえる。そして、禍々しい暗黒舞踏と見世物小屋、阿片窟が登場するだけで、評価を爆上げさせてしまう自分がいる。
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