あび子

地球最後の男のあび子のレビュー・感想・評価

地球最後の男(1964年製作の映画)
3.0
ゾンビというよりウイルスもの。
ゾンビ喋るし、ニンニクに拒否反応を起こすのが今ではない設定で現在のゾンビ像は試行錯誤しながら出来上がってきたことが窺える。
死んで生き返った人間と言えばキリストだがゾンビはそんな高尚な存在ではなくて起源はブードゥーにあるらしい(ググりました)
犯罪者を蘇らせ罪を償わせるために労働させたと書かれていたが私ならゾンビに皿洗いなど任せたくない....
そんなゾンビの設定をマッドサイエンスしてエンタメに持ち込んだのがアメリカ人なのだろう、昼間は動かない、人肉を貪る、今はでは定番ですね、ニンニクは吸血鬼と被ってるから淘汰されたのでしょうか?
にしても仏さんを怪物にして人を襲わせる、酷いこと思いつくものだ。
そのくせこの主人公は仏さんを拾っては供養している善サイドのアメリカンを見せてくる、「孤独なふりした世界で」の主人公も同じだった(こっちはゾンビ映画ではないがひとりぼっちの点は似ている)1人でやることがないとそんな気持ちになるのか?
なんとなく作者の願いを感じる、どんなに世界が荒んでも人で在って欲しい願いを。
たしかにどんなに世界が便利になっても殺伐としても人は人であってほしいと私も思う、人って何かと聞かれたら心であり、その温もりだ。
その温もりに用がある。
あび子

あび子