一人旅

幻想殺人の一人旅のレビュー・感想・評価

幻想殺人(1971年製作の映画)
3.0
ルチオ・フルチ監督作。

イタリアンホラーの鬼才:ルチオ・フルチがキャリア初期の1971年にイギリスで撮り上げた作品で、夢で見た殺人事件が現実で起きるサスペンスミステリーです。音楽はエンニオ・モリコーネ。

イギリスの富豪一族のキャロルは、隣の屋敷に暮らす美女:ジュリアを刃物で殺害するという悪夢を見るが、その直後、夢で見た通りにジュリアが実際に惨殺される事件が発生、地元刑事は現場に残された遺留品からキャロルを容疑者と見なしてゆく…という殺人ミステリーで、現実と幻想の混濁した不可思議な映像世界の中、隣人女性の殺害容疑をかけられたヒロインの不安と焦燥の切迫した心理を見つめていきます。

腹を裂かれ心臓丸出しの状態で生きたまま吊るされた犬の不気味な光景や、全裸女性が刃物で刺され鮮血が噴出する凄惨な殺害シーン、謎の追手からのスリリングな逃亡劇…とフルチ流のエログロとサスペンスが炸裂したジャッロ映画で、二転三転の凝った展開とどんでん返し的なオチまで気の利いた脚本で魅せてくれますし、ジュリア役:アニタ・ストリンドバーグの美貌&ぶっ刺され絶命演技も鬼気迫るものがあります。
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