男の子映画道場

ブラック・サンデーの男の子映画道場のレビュー・感想・評価

ブラック・サンデー(1977年製作の映画)
4.5
『羊たちの沈黙』までは硬質な作品を書く人だったトマス・ハリスの原作とキャリアで一番脂の乗っていた時期のフランケンハイマーの演出、手に汗握る展開にクライマックスの畳み掛けが圧巻のサスペンス。何度観ても面白い。
改めて見直してみると、ダーリヤとランダーの関係性がフランケンハイマーの『影なき狙撃者』のアンジェラ・ランズベリーとローレンス・ハーヴェイだし、全体の構図も若干似ていて、フランケンハイマー監督が描き続けてきたアメリカの病理(パラノイア)映画の集大成だったことが窺える。なだけに、タイムリーな評価が不遇なものになってしまったのは残念。トマス・ハリスの原作も、ハンニバル影に隠れてしまったけれど映画よりも苦々しいクライマックスで、こちらも超オススメ。
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