・ジャンル
オカルトホラー/ダークファンタジー/スラッシャー
・あらすじ
舞台は1941年、ベルリン
ナチスドイツでヒトラーを風刺した人形劇を密かに行なっていた人形師のアンドレ
子供達の喜ぶ顔と愛する妻との暮らしはささやかではあるが彼にとって十分幸せな物だった
そんな彼の元にゲシュタポの警部補エリック・スタインが現れる
そしてエリックはアンドレの扱う人形の秘密を知る
彼の人形には魂が宿り自ら動くのだ
その情報は死体を蘇らせ兵士として再活用する研究を行う医師ヘスとクラウス少佐の耳にも入り彼らはアンドレの知識を得るべく彼の劇場へ
そしてその場でアンドレの妻エルサは射殺され彼自身も連行されてしまう
劇場と妻という最愛の物を失った彼は人形達と共に逃亡し復讐を誓い…
・感想
魔術で魂を宿された人形達とその主であるパペットマスターを巡る惨劇を描いたシリーズ3作目
今作は1作目の前日譚でパペットマスターのアンドレが何故ナチに狙われる身となったのかやパペット達との殺人の始まりを描いている
1作目は設定が込み入っていて少々飲み込みづらく、2作目は分かりやすくはなったものの陳腐化した印象だった
そして3作目の今作はアンドレのパペットマスターとして暗躍する様になった経緯や妻の死などが描かれた事で前作までの解像度が一気に上がりなかなか良く出来た内容だった
リメイク版以降を含め計15作も作られている本シリーズではあるけど今作までを3部作と捉えればこれまでの評価も変わって来る前日譚の理想的な姿という感じ
またパペットに宿る魂が人間だった頃の出自やヒルを吐くパペット“リーチ・ウーマン”や髑髏のパペット“ブレイド”が生み出された背景も悲哀に満ちていてナチスという敵を存分に活かした内容がまた良い
ゲシュタポから身を潜めるアンドレの知人、ハーツ親子の行く末も舞台や時代背景の孕む現実をしっかり描いていた様に思う
ゴア描写に関しても相変わらずソフトめではあるものの復讐という動機もあってやっている事自体は1作目に近いエグさがあり猟奇性という意味では文句無し
特にラストはまさに処刑という感じで印象的だった
世界観がバッチリと固まった今作を経て次作以降がどうなっているのか?
前作までは続編に不安が多少あったけど今作を観ると安心して楽しめそう
欲を言えば更にゴアも強化されていたら尚良いかな