おおなり

ラ・パロマのおおなりのレビュー・感想・評価

ラ・パロマ(1974年製作の映画)
4.5
黒を基調とした室内のシーンと白を基調とした屋外のシーンが繰り返され、明と暗、静と動、閉塞感と開放感が交互に訪れる。

女を埋葬するシーンが印象的。男が同席者の中で、遺体を切り刻む者を募る。オークションのように報酬として支払われる金銭が釣り上げられながら同席者達の顔が代わる代わる映される。その表情からは不道徳な仕事に対する抵抗、金の誘惑への関心、できるだけ報酬を釣り上げようという冒険心と、いつ誰が名乗り出るか分からない緊張感の葛藤が読み取れスリリングな感じさえある。

耽美的で魅惑の映像と音楽、目と耳が幸福。