エアール

バスルーム 裸の2日間のエアールのレビュー・感想・評価

バスルーム 裸の2日間(2011年製作の映画)
3.5
密室の空間と漂うエロティシズム!!


新聞コラムを担当すること25年、
著名なジャーナリストだが、年老いたことで情熱を失っている男 ミゲル。

ある日
ジャーナリスト志望の若くて美しい女子大生 アンヘラと
カフェで待ち合わせる。

彼女がもつ美貌と若さに惹かれたミゲルは
その後カフェから場所を移し
画家の友人から借りたアトリエに彼女を招き入れることに。
誰にも邪魔されずに2人の時間を過ごそうと。。

シャワーを浴びようとバスルームに入り
ドアを閉めてしまったのが運の尽き。
押しても、引いても、叩いても、
ビクともしない浴室のドア。
薄汚く、狭いバスルームに裸で閉じ込められてしまった2人…

ユニットバス、
バスルームにはタオル一枚とビニールカーテン、
小さな通気口があるものの
いくら叫んでも応答なし。。
友人の画家は出かけており
帰ってくるのは週明けになるという
ーーつまりは2日あとに…

閉じ込められた狭いバスルームで
初老の男と女子大生の間に
いったいなにが起こるのか…


バスルームという密室の空間で
親子以上に年齢が離れている男女の会話劇。
喜劇なのか、はたまた悲劇なのか、
政治や社会の背景、ジャーナリズム、哲学、かつての自分のことなど
様々なトピックからタイミングを見て本音を切り込み
彼女と肉体関係をもつため
口説きにかかるミゲルは
なかなかの見ものです、笑


ラース・フォン・トリアー監督のニンフォマニアックを観た時にも
同じものを感じたのですが、
最終的に行き着くのは肉体関係で
そこへどうアプローチしていくのか、
そこんとこのもっていき方が
独特で面白かったです。

若く美しい女子大生が
裸で目の前に、
ほんで狭いバスルームに閉じ込められて2人きりとなると
まあ〜無理もない、笑
会話の中や醸される雰囲気なんかも
妙にエロっぽさを感じられたりして
いい意味で満足です。

女子大生を演じたマリア・バルベルデはほんとお綺麗!!
別の作品でも観て知ってる女優さんでしたが
特に本作ではその透明感が素晴らしいです。
一方で盛りを過ぎた老いた男を演じたホセ・サクリスタン。
なんでだろ?笑
失礼承知で、途中から吉田鋼太郎さんに見えてきて仕方なかったな〜、笑
言葉と知性を武器に
展開されるセリフ回しがなんとも印象的でした。
総じて、キャスティングは絶妙だったんじゃないかな〜と思いますね!!
エアール

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