エアール

CLIMAX クライマックスのエアールのレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
3.7
成功するために
なんでもする覚悟はおあり?
さあ〜パーティーを始めよう!!!


ギャスパー・ノエ監督が
またまた挑発的な作品を
世に送り出す!!ってことで
前々から観ようと決めていた作品で
ようやく鑑賞に漕ぎ着けることができました。

1996年に実際に起きた事件に
脚色を加えて仕上げた本作です。
ダンスが軸となっていますが
組み込む基にする題材としてかなり都合が良かったようで
どこかダリオ・アルジェント監督のサスペリア感を醸し出してるあたりも
気になってしまった理由のひとつ。
まんまとやられてしまいました、笑


著名な振付師により
集められた選りすぐりのダンサーたちが
リハーサル後のパーティーで
ドラッグ入りのサングリアをジャンジャン摂取した挙句
次第に理性が崩れ始め狂気が満ちたダンスフロアへと変わり果てていく過程を
描いている本作。

さまざまなジャンルをミックスしたダンスシーンのインパクトだったり
その見せ方は圧巻だったし
本作に登場しているダンサーのほとんどがカメラを前にしての演技未経験者というあたりも
すごく引かれました。
表情やセリフではなく
まさしく体全身を使って”表現”をするダンサーというポジションは
”表現者”という言葉がこれほどピタリとハマる立場はありませんし
観ていてもやはりカッコいいですね。
ここ最近では
女優業にも力を注ぐソフィア・ブテラが筆頭でしたけど
彼女も有能なダンサーですしね。
もっともっと出してくれても良かったように思いますけど、笑

撮影スタイルも
その場面場面で変わっていて
固定、正面、手持ち、俯瞰、ドキュメンタリー感を醸す長回しなど
そのこだわりが伺えました。

閉鎖的空間で
集団が徐々に精神を崩壊されていくと
その空間はどうなってしまうのか、
まさしく地獄絵図というにふさわしい異様な空間や雰囲気、
なによりドラッグがもたらしうる悪影響への警鐘を訴えていると
監督のインタビューにもありますので
そこんとこも踏まえて
本作を楽しむことができたらいいかな〜と思います。
エアール

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