開始数分で主人公が謎特殊メイクを駆使していきなりの脱獄を果たし、「これからどうなるんだろうなぁ」と思った矢先に主人公を嵌めた男が速攻でブチ殺される。序盤からマカロニ的な大雑把さ全開でふふってなる。それはさておき、この映画の主軸は脱獄した賞金稼ぎと若きアウトローのドタバタ友情旅だ。主演が「ブレードランナー」の製作に携わった人物だったことにたまげる。
主人公がどことなく胡散臭い雰囲気の男前で、対する相棒的立ち位置の青年の方がストレートに美形なのが面白い。二人の道中旅が話の中核を成しているけど、とにかく途中まで逃げたり追ったりの繰り返しでいっそ愉快になってくる。そんな流れの末に二人仲良く死にかけて、九死に一生を得て何やかんやで友情が芽生えてしまうのが微笑ましい。アクションもぼちぼち楽しめるけど、中でも酒場での豪快な乱闘シーンが結構好き。
ラストにリンカーンの言葉がいかにも取って付けたように出てくるのでちょっと笑う。基本的には行き当たりばったりな内容だし、最後もグダグダ気味なので完成度的には大分微妙な方。でも男二人の友情が何だか楽しいので、ちょっと許す気になっちゃうのがにくめない。あと、夜中に主人公が馬車の未亡人と語り合う場面は普通に渋くてグッと来る。