シズヲさんの映画レビュー・感想・評価

シズヲ

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この『氷』を使った新作ギャグだ

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ラスト・ショー(1971年製作の映画)

3.9

悲痛なノスタルジーに包まれた虚無的青春映画。冒頭から映し出される閑散とした田舎町の風景が既に最高で、物語の行く末を暗示するかのような枯れ果てた雰囲気に引き込まれる。終始モノクロ映像で構成されているのも>>続きを読む

続・荒野の七人(1966年製作の映画)

3.4

“RETURN OF THE SEVEN”って原題の割にユル・ブリンナー(あとエルマー・バーンスタイン)しか帰って来てない続編。これが結構痛くて、スティーブ・マックイーンやチャールズ・ブロンソンなどス>>続きを読む

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

『響け!ユーフォニアム』は未視聴、原作も未読。女性的な雰囲気が強くて終始に渡って繊細な綺麗さがあるし、吹奏楽を題材にしながらも作中の主軸は「女子二人の関係性」に終始しているのが印象的。京都アニメーショ>>続きを読む

キャバレー(1972年製作の映画)

4.0

キャバレーで歌うショーガールの物語を退廃的に彩ったミュージカル。ライザ・ミネリの独特の風貌や歌唱力がやっぱり良い。化粧で着飾った司会者による進行を中心に、猥雑で刺激的ながらスタイリッシュな舞台演出もま>>続きを読む

理由なき反抗(1955年製作の映画)

4.0

Leeのジーンズ買って急に見たくなった名作。冒頭からジェームズ・ディーンの魅力が炸裂。開始数分の時点で彼の表情作りの上手さが伝わってくるし、ずば抜けた演技力で見せる「大人に反発する青臭い若者」の姿がと>>続きを読む

ガルシアの首(1974年製作の映画)

3.7

「大地主が娘を妊娠させた男の首に100万ドルを懸ける」という強烈なプロローグに始まるペキンパー監督作。やっぱり暴力的な映像が目を引くけど、最初から最後まで愛の映画でもあるのが印象深い。

物語前半は言
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傷だらけの用心棒(1968年製作の映画)

4.0

どっちかっつうとフレンチ・ウエスタンな気もする復讐劇マカロニ・ウエスタン。冒頭からセピア色の情景に始まり、何処かノワール的な仄暗い演出が光る。フラメンコ調のBGMや殺伐とした絵面が生み出す渋いムードが>>続きを読む

拳銃王(1950年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

伝説のガンマンとして名を馳せた男の悲哀が染みる秀作。グレゴリー・ペック演じるリンゴは名声とは裏腹に安息を求め、しかし周囲は彼の心情など知らずに次々と騒ぎ立てる。悪党として良くも悪くも注目されて挑発を繰>>続きを読む

荒野の決闘(1946年製作の映画)

3.7

OK牧場の決闘を描いた作品。映像から滲み出る詩情がやはり印象的で、広大な荒野に佇むブームタウンの情景やバーのカウンターで繰り広げられるドラマなどカットの美しさが目を引く。椅子に腰掛けるフォンダの姿は言>>続きを読む

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後まで暴力的。引きの構図や長回しの映像で見せつけられる「町並み」の異様な身近さ、冷えきった演出で容赦なく描かれる暴力の生々しさが尋常じゃない。展開の抑揚なんて殆ど無いのに終始引き込まれる緊張>>続きを読む

シルバラード(1985年製作の映画)

3.6

「80年代に正統派西部劇を甦らせようぜ!!」的な根性むき出しなのがもう愛おしい。とにかく西部劇。荒野を雄大に映す引きのカメラワークは勿論、幌馬車のキャラバン、開拓者達の社交ダンス、スタンピードなど「ウ>>続きを読む

北国の帝王(1973年製作の映画)

4.3

大不況時代のアメリカを舞台に無賃乗車のホーボーと残忍な車掌が激突する。物語にも設定にも華やかさは無いのに、ひたすら無骨な泥臭さでグイグイと引っ張られていく。本作の魅力はやっぱりリー・マーヴィンとアーネ>>続きを読む

キャット・バルー(1965年製作の映画)

3.6

オープニングからいきなりナット・キング・コールとスタッビー・ケイが陽気に弾き語りするコメディ系西部劇。ストーリー自体は解りやすく復讐劇であるものの、ミュージカル調の語りや何処か能天気なムードのおかげで>>続きを読む

モンテ・ウォルシュ(1970年製作の映画)

4.1

緩やかに「終焉」の気配が迫る西部劇。時代の終わりを前にして劇的な展開がある訳でもなく、ただただゆっくりと過去の花形が寂れていく。そんな変化の様子が叙情的な映像、牧歌的なムードによって描かれるのが印象深>>続きを読む

ブレージングサドル(1974年製作の映画)

3.5

前代未聞のコント映画。西部劇っぽい要素やパロディがふんだんに盛り込まれた上で徹底的にふざけ倒している。差別や下ネタを始めとするブラックジョークも終始繰り広げられるけど、主人公の黒人保安官(『バニシング>>続きを読む

アルカトラズからの脱出(1979年製作の映画)

4.2

ドン・シーゲル監督の乾いた作風が光る一作。劇的なドラマ性や過剰な演出を徹底して排除し、ひたすら「実話をモチーフにした脱獄劇」として淡々と描き切っているのが渋い。看守らの目を盗みながら入念に脱獄計画を進>>続きを読む

ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)

3.6

「とにかく好きにお下劣やりまくったぜ」と言わんばかりのバカっぷり。チンコ、スカトロ、獣姦、肛門など、内容はアホみたいに汚くてなんだか凄い。ベビーベッド婆さんに種馬ビジネスといった本筋ではない部分も絶妙>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

3.8

この映画の秀でている部分は圧倒的に映像そのもので、ロードムービー的な流れの中で描写されるモニュメントバレーの情景がとにかく素晴らしい。奥行きに溢れたカメラワークや遠回しによる雄大な景色には感動させられ>>続きを読む

狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.3

「真夏の午後」というなんてことのない原題のように、作中で描かれる銀行強盗事件はまるで日常の延長線上のような雰囲気を帯びている。映画としての抑揚の無さがとにかく顕著で、余りにもナチュラルな演出とアドリブ>>続きを読む

大列車強盗(1903年製作の映画)

-

採点ナシでレビュー、世界最古の西部劇映画。時代が時代なだけにカメラは常に固定されているけど、ただ俯瞰的に状況を映すだけじゃなくてちゃんとカットに工夫を凝らしているのが興味深い。12分という尺に加えて役>>続きを読む

ロッキー(1976年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ケチな試合ばかりの二流ボクサーで、借金取りで食い繋ぎながら燻っていたロッキー。序盤の薄汚くて閑散とした自宅の描写が示すように、彼の現実を取り巻いていたのはどうしようもない閉塞感だった。「閉塞の中で生き>>続きを読む

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

あらすじも設定も解りやすくダーティーな刑事物で、オープニングから80年代らしい雰囲気が全開。当時のロスの猥雑な色彩を切り取った映像も時代を感じさせる音楽も印象に残る。そっから序盤は「はぐれ者の刑事が過>>続きを読む

ガンマン無頼(1966年製作の映画)

3.5

保安官兄弟が復讐のためにメキシコへと赴く渋めのマカロニ・ウエスタン。哀愁漂う主題歌に始まり、クールな悲哀を纏ったフランコ・ネロの魅力がとにかく光る。冒頭から始まる銃撃戦(立ち尽くす賞金稼ぎの背面からネ>>続きを読む

スーパーフライ(1972年製作の映画)

3.5

ブラックスプロイテーションの代表作のひとつ。作中で頻繁に使われるカーティス・メイフィールドのサウンドがめちゃくちゃカッコいい。気だるげでお洒落なファンク・ミュージックにいちいち痺れるし、特に有名な「S>>続きを読む

砂漠の流れ者(1970年製作の映画)

4.7

サム・ペキンパー製の傑作西部劇。西部開拓史と時代の終焉が「ケーブル・ホーグの生き様」という極めてミニマムな世界に凝縮されている。人間味に満ちた登場人物が織り成すユーモラスな物語が実に秀逸で、時おり挟ま>>続きを読む

スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ(2007年製作の映画)

3.0

西部劇?アイデアは間違いなくラリっている。題材こそ『用心棒』や『荒野の用心棒』を下敷きにしているけど、「ギャングと化した源氏と平氏が埋蔵金を巡って対立している町に流れのガンマンが現れる」という粗筋から>>続きを読む

トム・ホーン(1980年製作の映画)

3.3

実在のガンマン、トム・ホーンの顛末を描いた西部劇。変わりゆく時代の流れに飲み込まれていくホーンと晩年のマックイーンがシンクロするかのようなムードが秀逸。老けたマックイーンの寂しげな笑顔、諦観にも似た振>>続きを読む

続・さすらいの一匹狼(1965年製作の映画)

3.5

『さすらいの一匹狼』に通ずる要素はほぼ無い、というかそもそも本国では『さすらいの一匹狼』のが上映が先なのでふふってなる。中身はジェンマらしいマカロニ活劇だ。「友人に牛泥棒の濡れ衣を着せられたカウボーイ>>続きを読む

11人のカウボーイ(1971年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

70年代に入ってからのジョン・ウェイン式西部劇。この頃になると流石にジョン・ウェインも峠を越えた爺さん感が出てくる。力強い佇まいや堅物な性分はそのままだけど、これまでのような『強靭なヒーロー』ではなく>>続きを読む

ある戦慄(1967年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

深夜の電車を舞台にした密室サスペンス。人間が社会で生きていく中でどれだけの憂鬱を抱えているのか、秩序に押し込められた大衆がいかにルールを無視した「本質的な暴力」に対して無力なのか、本作はそれらを無情に>>続きを読む

地獄の逃避行(1973年製作の映画)

4.6

犯罪を犯した若いカップルの逃避行。自分はこの映画が好きだけど、それは本作が心地良い倦怠感と幻想感を持っているからなんだよな。ストーリーに捻りや抑揚は無くて最初から最後まで淡白だし、主役二人に感情移入さ>>続きを読む

赤い河(1948年製作の映画)

4.7

西部開拓時代におけるカウボーイ達の旅路を描いた映画。この作品の魅力は何と言ってもカウボーイが牧牛を連れていくキャトルドライブの描写そのもので、牛の大群が荒野を移動する光景がとんでもない迫力を持っている>>続きを読む

さすらいのカウボーイ(1971年製作の映画)

3.8

かなり不思議なムードが漂う西部劇、というか雰囲気的には殆どアメリカン・ニューシネマ。詩的で叙情感に溢れているのに、何処かくたびれたような人間臭さを漂わせる。抑揚も派手さも西部劇らしさも無いので若干退屈>>続きを読む

アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

3.7

冒頭から『60年代前半の楽天的なアメリカ』のムードで引き込んでくる青春映画。舞台が舞台なだけにノリはアメリカンだし、ストーリーも起伏に乏しくて特別面白さがある訳ではないけど、それだけに独特の生々しさに>>続きを読む

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

4.0

終始気だるげでなんだか奇妙な映画。大したイベントも抑揚もなく、本当にだらだらのんびりと物語が進む。そこに退廃的なモノクロの映像と長回し等によるカットが加わることで『非日常的なのに何となく日常を切り取っ>>続きを読む

愛は憎しみを越えて(1983年製作の映画)

3.5

遅れてやってきたインディアン系マカロニ・ウエスタン。冒頭から何となく『ソルジャー・ブルー』っぽいインディアン虐殺シーンが繰り広げられる時点で本作の血生臭さはすぐに察せる。頭の皮剥ぎは勿論、傷口の生々し>>続きを読む

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