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ハピネスのtubure400のレビュー・感想・評価

ハピネス(1998年製作の映画)
3.1
最近観た映画では『家族ゲーム』に雰囲気が近い。登場人物がみなエグいほど変な奴で、よくある、ヘンテコだけど愛さずにはいられない!みたいな感じでもなく、むしろちっとも愛せないのが凄い。ジョイちゃんだけは応援したくなるけれど、圧倒的に不憫だった。業、ということを思わされる。目を背けたくなるような業の嵐なんだけれども、ここまで振り切れて悪意に満ちていると逆に笑えてくるというか、ちゃんとユーモラスなエンターテインメントとして成立しているところが凄い。

クリスティーナの独白のシーンとか、父子の語らいのシーンがめちゃくちゃ怖い。けれども単なるスキャンダラスな三文芝居っぽくならないのは、根底に総ての登場人物に対してのcompassionのようなものが流れているからだろう。とはいえ、こんなに性格の悪そうな映画を観たのは『The House Jack Built』以来だった。
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