ペイン

ハピネスのペインのレビュー・感想・評価

ハピネス(1998年製作の映画)
4.5
“この10年で最高の1本”
Byジョン・ウォーターズ

いや~傑作。
流石のトッド・ソロンズ先生。

3年前の『トッド・ソロンズの子犬物語』でもそのあまりに不幸な一匹の犬の末路を描いており戦慄させられましたが、本作ではニュージャージー州を舞台に、一見幸福そうに見えるトリッシュ、ヘレン、ジョーイの3人姉妹とその中産階級の家族をユーモラス且つ超辛辣に抉り出す。

過激な暴力描写や性描写は皆無に近く、あくまで作品全体の雰囲気はホームドラマ、ホームコメディといった感じではあるのだが、ソロンズのそのあまりのシニカルな視点に痛烈なビンタを喰らわされる。

また、最高の名優フィリップ・シーモア・ホフマン映画でもあり、ホフマン演じる会社員は片思いをしている隣人の美人女性作家が自分のことを気にも留めないことに腹を立て、無差別にわいせつなイタ電をかけ自慰にふけることで報われない思いを紛らわせる不穏なキャラクター。女性が生理的に受け付けないようなこの変態男を演じた本作でのホフマンはキャリアベストアクト級の輝きを放っている。また、実質上の主人公であるジェーン・アダムスもお目目ぱっちりで可愛らしい。

少年のソレから出てきた白いアレをペロッと舐める犬に爆笑。少年が性に目覚めてアレ出来るようになるまでの成長譚とも言える。
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