かたや恋人を事故で失ったオースティンから出戻りのロカビリー歌手、かたや長距離電話でパパに送金依頼のニューヨークの金満ポークボーイ。何も通じ合うものなさそうな革ジャンとチェックシャツなのになぜか、仲良しというほどでもないけどお互い直感で惹かれ合ってるのが何の説明もなく良い。デニムとピンクスウェットの修理工姉妹ともどもゾディアックが出てきそうな月明かりの貯水池でラブメイキング、そもそも運転巧い情報もなく、準備不足でサソリでトラブルの上に相乗りで勝てるわけないのに地元のロードレースで優勝。ずっと流れてる音楽も含めてこんな地味でも紛れもない裸のアメリカ、アメリカの夢を見せてくれる。むしろあの街の規模だからこそ胸に迫る。最後のスーツケース足下に置いて何も言わずに微笑みながら待つ、どう言われようとあの妹がやれば最高、泣かす気か。ナンバープレートにサザンクロスの車が出てくる映画を今後も見続けなければならない。

メカニックのツートンニット帽ジジイは懐に子猫で毛刈り前の羊ザーメントマト割くれるし、少年隊ルックをリアルクローズに落とし込んだ女たちをフリンジが飾り、メスカルからの芋虫キッスにエイトボール、デフォーの歌い出しに盛り上がりすぎて死んだ。本国は3倍くらいデカいデイリークイーンのソフトクリーム太腿につけてホースで水かけ前戯、各々のウォーターラブからの火事😭レース中も蠍の存在にドキドキしてカウボーイ爺二人が見守りゴールを祝う紅白短パンのチアガール。遂にCAT帽買う時が来た。アリゾナの乾いた風と砂ぼこりで肌荒れそうなほど最高。

地味なのにほんと最高。なんの勝算もないのにレースに参加するジャッジラインホルド。アイツがほんとのヒーローだ。