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娼婦ケティのleylaのレビュー・感想・評価

娼婦ケティ(1976年製作の映画)
3.8
「元気をもらえる」という言葉はあまり好きではないけど、ヴァーホーヴェン監督作品の場合は別。生々しいエロ描写がまるでサプリのように、観終わるとなぜか元気になる。

本作は監督がデビューから3作目のオランダでの作品。若い頃からエロさと女性の逞しい描写がブレてません。ドスケベおやじの見本市や〜

どん底から上流階級にのし上がったネール・ドフの実話に基づくストーリー。回顧録はノーベル賞にノミネートもされている。

⬇️以下ネタバレ含みます








1800代後半のオランダ、貧困のため田舎からに仕事を求めて都会に出て来た子沢山の一家。しかし、都会でも仕事はなく、長女は娼婦に、主人公の次女ケティも母によって娼婦にさせられる。

というと、貧乏から這い上がる可哀想な女性の物語かと思いきや、一筋縄ではいかないのがヴァーホーヴェン。

すごいのは主人公ケティには意志が見えないところ。レイプされてもすぐ立ち直り、母に娼婦にさせられても素直に受け入れ、男に裏切られても怒らない。頑張って貧乏を脱出するぞとか、金持ちのパトロンを掴まえるぞとか、前向きな感情も見当たらない(ラストを除いては)。貧困が善悪や意思さえも奪う恐ろしさ…

ケティはひたすら流されながら、気づいたら裕福な青年をゲットすることになる。主人公のふわふわ浮遊しながらも逞しいところが魅力になっていて、これはヴァーホーヴェン流のシンデレラストーリー。

何をしようが“生きる力”は偉大なのだと思えてくる作品だった。


⬇️ここから下ネタ。下ネタの苦手な方はスルーで







超ドアップの乳首にも驚いたけど、1番の驚きは影絵に男性のビンビンのシルエットが映り、その後に俳優のナニも勃っていたこと(ボカシ入りですが)。そんなのAVでしか観たことない笑。ヴァーホーヴェン監督の演出には毎度恐れ入ります。
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