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聖者の眠る街のchipのレビュー・感想・評価

聖者の眠る街(1993年製作の映画)
3.8
辛いけれど…いい作品でした。
TSUTAYAおススメ、ありがとう!


統合失調症でカメラが好きな若いマシューと、
元負傷兵、今も足に痛みが残る初老のジュリー、
二人のホームレスの友情を描いた作品。
宿泊所で出会った二人、
襲われたマシューを救ったジュリー、
そして生きていく術も教える…
親子のように寄り添っていました。。
お金を貯めてアパートを借りて
バンを買って野菜を売り歩く…
NYの片隅で、底辺で、
そんな小さな夢を語る二人が
愛おしく見えました。
マット・ディロンは強がっている男のイメージでしたが…
このマシューは背中を丸めていつもオドオドしていました。
そんな彼を
「人生は航海のようなもの、お前は舵取りが下手なだけ」
と励ますジュリー…
マシューは彼と出会って救われたなぁ~
後半では逆にジュリーを叱り励ますマシューがいました。
廃ビルに住む老人とカップルが助けてくれました。
ささいなことを笑って語る、
この弱い人たちが、とても幸せそうに見えました。


安らかな時は長くは続かないけれど…。


終盤は…
トラのオリに入れられたようなマシュー、
私の胸騒ぎが当たってしまい…
胸をえぐられるように苦しかった。。😢


いつもカラだったマシューのカメラ…
彼はファインダー越しに何を見ていたのだろう?
久しぶりにフィルムが入った時…
その写真には
仲間の笑顔が写っていました。。


働いて一生懸命に生きる人たちは
皆愛おしいです。
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