好きな俳優ばかりの豪華な映画。
この時代を描く様々な映画なかでとても好き。諜報員のリアリティが話の凡庸さ(大きく言えば…スパイが二重スパイをみつけるということだから)を魅力的にし、人物像を浮き立たせ、なおかつ丁寧な作り込みと演出で引き込ませる。音楽の使い方も過去の回想とともに程よい緊張感を全体の抑揚のなかで生んでいる。各名俳優の演技を堪能したいという気持ちも合わせて2、3回とみて噛み締める映画。こんなにもかっこいい物語りはなかなか無いと思う。
男の仕事をする上での価値やプライドだったりを女は理解できない世界なのだと暗に言ってるのに、妻が弱点の主人公の情けなさとかが哀愁を感じせざる得ない。そして、その様が冷戦時代のイギリスともリンクして見える。過去の栄誉ある孤立というプライドが、忠誠と裏切りの連続の彼らを皮肉ってるようにも感じる。
全てのカットが、ワンシーンがかっこよく、すごく丁寧につくられた映画で、一音、小道具一つ一つがよかった。物語にエッジをきかせるのも、場面替えのセリフも、モンタージュも、映画の基礎がしっかり効いているのにすごく色気があって、ただただ良い映画。余韻味わってからもう一度みたくなる。
以下すごく個人的な頭わるそうな感想
監督は超ロマンチストだしエモいの好きなんだなってなったし、スパイ映画っていうか、突き詰めて考えると切ないラブストーリーだった。
コリンとマークのバディが好きなんだなってのも伝わる。
そして、出てくる俳優みんなかっこよく撮られててスゴイってなる。かっこいい。コリンファースの色気が好きな人には是非すすめたい。キングスマンより閉鎖的な中に感じるスモーキーウィスキーのような色香が素敵。もちろんゲイリーオールドマン好きな人も観るべき。