裏切りのサーカスの作品情報・感想・評価

「裏切りのサーカス」に投稿された感想・評価

渋い。ここまでダンディズムを貫いた作品にはめったに出合えない。

元MI6諜報員にしてスパイ小説の大家ジョン・ル・カレの代表作の映画化。
東西冷戦下、英国情報局秘密情報部MI6とソ連国家保安委員会KGBは熾烈な情報戦を繰り広げていた。そんな中、英国諜報部<サーカス>のリーダー、コントロール(ジョン・ハート)は、組織幹部の中に長年にわたり潜り込んでいるソ連の二重スパイ<もぐら>の存在の情報を掴む。疑惑の幹部は4人、コードネーム”ティンカー、テイラー、ソルジャー、プアマン”。
だが、コントロールは作戦失敗により<サーカス>を追われ、謎の死を遂げる。 調査を引き継いだのは、コントロールの右腕で、引退した老スパイ、ジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)だった。
浮かび上がるソ連の深部情報ソース<ウィッチクラフト>、そしてかつての宿敵・ソ連のスパイ、カーラの影。やがてスマイリーが見い出す裏切り者の正体とは…。

まず、渾身の映像化に拍手。元諜報員ル・カレによるリアルこの上ない原作を映画化した製作陣に脱帽。
次々と展開していく頭脳戦についていけず、2回目の鑑賞でようやく落ち着いて観られる。
細部に至るまで冷戦時代が綿密に再現されているだけでなく、ゲイリー・オールドマンをはじめ、豪華俳優陣の抑えた演技にはまってしまった。結末が分かっても、ディティールを味わうために何度も見たくなる。渋さの極み。
2回目の鑑賞。

1回目は今ひとつ分からないまま終わってしまい、それから数年経ち2回目の鑑賞に至る。

忘れているところもあったが、大筋は分かっているので、細かい人間関係や国家間の背景などを聞き取ることができ、随分理解できたと思う。

名前が困る。コードネームや本名、暗号名が入り混じり誰が誰やらわからない。顔写真つきの相関図とかを書きたくなる。名前をクリアすれば本当によくできたサスペンスで、イギリスのどんよりした気候と静かに進む物語にどっぷり浸かって楽しめる映画だと思う。

豪華すぎる俳優陣の共演と、細やかな表情のやり取り。挿入されるクリスマスパーティの様子で人間関係を暗示する憎い演出。

難しく見えるので何度も観る気にならないかもしれないけど、2度は観てほしい。面白かった!
ネタバレとか原作小説読まないと絶対に初見ではわからない難しさ。でも癖になる難しさ。ラストは病みつきになる終わり方。
難しい。難しすぎる。二回の鑑賞が推奨されているらしいが、二回目を見たところで果たして理解できるのか、正直わからない。もうこれは謎解きやら伏線やらを気にせず、イギリスを代表する実力派俳優たちの渋い演技に痺れる映画で良いと思ってしまった。実際、俳優陣がものすごく豪華で、洋画初心者の自分でもほぼ全キャストの顔がわかるくらいだ。よくあるスパイ映画の派手さはないが、元MI6の原作者によるリアルな描写と、渋いオヤジたちの競演に注目してほしい。
薄

薄の感想・評価

3.0
原作と同じく難解な作品。
原作を読んでから映画を見ても、映画を見てから原作を読んでも結局難解な印象は変わらないという。
ダンスパーティーのシーンは人物相関がひと目でわかって中々発明だと思う。
原作既読者は最初の絵を見つめるシーンでグッと惹きつけられるのでここら辺も上手い。

このレビューはネタバレを含みます

解説を読んでから観ないと、誰が何をしているのかわかりにくい映画。悪い意味ではなく、それほど説明が簡略化され、映像によって語られる部分が多いということでもある。

キャスティングで薄々誰がもぐらなのかはわかること、解説されないとわかりにくいことも相まって、誰がもぐらなのか?というワクワク感は薄く、代わりに不思議な緊張感が続く。とりあえずはこの重苦しい雰囲気を楽しむのがいいと思う。



以下はビルとジムについて書きたいので書く。ネタバレ。



正直、ほとんどのシーンは解説を読んでから再び観ても「そうなんだ」としか思えなかった。しかし、ラストシーンのビルとジムの下りはどうしても涙が出る。

ビル・ヘイドンとジム・プリドーは大学時代からいつも一心同体だったと、周囲は言う。
そしてジムも、ビルという名前のやつはいいやつばかりだと言う。この大勢存在する「ビルという名前のやつ」の中心にいるのは、間違いなく、愛するビル・ヘイドン。

そこまでビルとジムは恋人の描写されていながら迎える結末は、様々に解釈出来ると思う。

最後にジムはビルを撃ち殺す。このシーンのジムの覚悟と決断、瞳から流れる涙を見ていると、ジムはもうビルと歩む未来を選べないから撃てたのかなと思う。

ビルが死んでも、世界は続いていく。
しかし、ジムがいなくなっても、ビルとジムが愛し合っていた過去は決して消えない。裏切りによってジムの恋心はビルを撃つことでしか納められない感情というものに変わってしまったのだと、今の私は解釈している。

この二人はほんの少し、ボタンをかけ違えてしまっただけのような気がする。あと少し、何かが違えばクリスマスパーティーの幸せは続いていたような気がする。挿入歌のラメールが、二人の結末とは対照的に明るく、かつて二人が思い描いた未来のようで、かえって現実の悲しさを深めていくのがいい。

このラストシーンは、映画のように何もかもが上手くは行かないことだらけの現実世界を生きる、本物の誰かの人生を見ている気持ちになる。時代が違ったら。スパイという立場でなければ。世の中に様々なifはあるけれど、あるのは一つの現実だけだから。

そういう暗い気分になれるので、とても好きな映画。
se7enteen

se7enteenの感想・評価

4.0
1回観ただけじゃ分かんなくね?

理解が追いつけないまま淡々と進んでくのに退屈しないで観れるのは独特のテンポのおかげかキャストのおかげか

ゲイリー・オールドマンはさすがだね

カーラとの出会いを語るシーンと飛行場のシーン良かった

とりあえずネットの解説で知識詰め込んでもっかい観よう
なんという不親切。説明し過ぎは格好が悪いんだと、私の敬愛するK氏は言っておられたがまさにその逆。この作品に満点を付けれる頭脳が欲しい。OPのクレジットバック、煙るような映像、窓ガラス越しの二重風景、最小限で魅せる演技、物語に完璧に仕立てられた音楽。全要素のセンスが良過ぎて脱帽する。あの抜群のエンディングは何度でも観たい。

扉の木片、壁に掛けられた絵、暗く冷たい川、車中の虫と暖炉の鳥、銀のライター。オレンジの防音室と書類エレベータの巧みな舞台装置が見事。スマイリーがカーラを説得する再現シーンの凄みには痺れた。この硬派で渋い世界の中で、カンバーバッチがマスコットのように可愛く見える。1人だけ水色のネクタイしちゃってさ。ジムの「優れた観察者だろ。孤独な者の才能さ」って台詞が好き。
スルメ映画との評を受けて2度鑑賞。も、難解…。非常に重層的な人間関係を随所でチェスになぞらえて表現しているんだけれども、これまた難解…。個人的には人間関係の図をどこかワンシーンでいいから入れてほしかった。。
ほとんど血の流れないスパイもので時代背景となっている東西冷戦を暗示させる点はとても秀逸な印象。各キャストのスリーピースが洒脱だなぁ、と思って観ていたらポール・スミスが携わっていたという驚きも。
白畑伸

白畑伸の感想・評価

4.7
途中から全く話について行けなくなるけど
そんなの御構い無しで作品に目が離せなくなる…
惹きつけられて止まらないんすわ。笑
要所要所で「これってそういうこと…?」って
シーンがあるけどその後特に明言はしない、
それがなんだかクセになる映画だったなぁ〜。

キャストがえげつねぇな!
ゲイリー・オールドマン、
コリン・ファース、マーク・ストロング、
ベネディクト・カンバーバッチ、
トム・ハーディ…
トビー・ジョーンズまで出てるのがグッド!笑
英国俳優アベンジャーズ。
次回作はレイフ・ファインズか
ジェレミー・アイアンズ出してくれ。

あとやっぱトム・ハーディはトム・ハーディだ。笑
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