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裏切りのサーカスのplimのレビュー・感想・評価

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
4.8
渋くてカッコいい。色気の暴力。
007のリアル版。

原作者が元スパイという事で無駄のない緻密で複雑なストーリー。

エリート集団であるサーカスでさえ、愛に惑わされると判断が鈍ってしまう。
完璧と思えたウィッチクラフト作戦も愛により思わぬ方向へ転がってゆく。
そして、なんといってもカーラの怖さ。
一度も姿を見せない男がこの映画で一番の存在感を放つ。
常に冷静沈着で、冷酷なスマイリーが一度だけ取り乱す、カーラについて話すシーンが、強烈なインパクトを残す。
そして、「この時代に戦場に行くのは兵士ではなく、我々だ。」とサーカスの一人が言うシーンも印象的である。

実話ではないにしても、元スパイの原作者という事実が、あり得る事だと想像力を掻き立てる。
表に出ない人間の頭脳戦と愛憎劇。

そして、
後にチャーチル首相を演じるゲイリー・オールドマン。
英国王子を演じたコリン・ファース。
エニグマを解読したベネディクト・カンバーバッチ。

キャスティングにロマンを感じるのは私だけだろうか。
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