爆裂BOX

エグジット・スピードの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

エグジット・スピード(2008年製作の映画)
4.4
エル・パソ行きの長距離バスが凶暴な暴走族ノマドに襲われる。カーチェイスの末バスはスクラップ工場に激突。乗客たちは立て籠もって抵抗を続けるが…というストーリー。
タイトルにはスピードとありますが、カーチェイスは最初だけで、後は「要塞警察」の様な籠城アクションになります。
登場する乗客のキャラも上官を殴って脱走した女兵士メレディスや息子に会いに行くダメ男、アーチェリーを習ってるオタク系少女、シングルマザーや強気な彼女とヘタレ彼氏のバカップル、コーチやスペイン語しか話せないDIY精神あふれるメキシコおやじなど皆キャラ立ってます。こういう立てこもり物ではよくいるイヤミなキャラもイヤミなだけでは終わらずちゃんと良い部分も描いているので本当に感情移入もしやすいです。彼らが戦いを通して仲間意識を持っていく過程も大げさすぎずさらりと描いているのもいいですね。
更に結構バンバン死んでくので誰が最後まで生き残るかハラハラさせます。主人公っぽい感じ出してたイケメン運転手が最初の方でアッサリ殺されたのは驚きました。終盤の戦いで次々凶弾に倒れる仲間の姿は分かっていても切ないですね。
敵のバイク集団も極悪ながらそのアクロバティックな操縦はとてもかっこいいです。一言もセリフなく襲ってくるのは「要塞警察」のストリートギャングを彷彿させますね。
ショットガンの弾着の過激さ(内臓飛び散るエグさ)や工場の部品を使った手作り武器での応戦などもグッドです。手作り武器で戦う所は「真夜中の処刑ゲーム」を彷彿しました。ポテトバズーカで火炎瓶をポンポン投擲するのは面白かったです。小石を詰め込んで放つところは中々エグイですね。
キャストも「ゴーストシップ」「クライモリ」のデズモンド・ハリントンや「トレマーズ」のフレッド・ウォードなどB級好きにはグッとくるキャスティングです。
B級アクションながらとても楽しめる作品です。