巨大ハリケーンが接近しているニューオリンズで作業中の三人の囚人が脱走。次第に勢力を強めるハリケーンから逃れる為、三人は三人の母娘がいる一軒の家に押し入る…というストーリー。
ハリケーン中に逃走し家を占拠した凶悪犯と住人の親子が戦いを繰り広げるサスペンス作品です。
ハリケーンの大雨で川が氾濫することを予測した消防署が、付近の刑務所に収監されている囚人たちを借りて川岸に砂袋を積む作業をさせていたが、シンプソン達三人の囚人は看守の目を逃れて逃亡。付近を逃げ回った末、消防署長の妻キャシーと二人の娘がいる家に押し入り、彼女たちを脅して近くに来ている仲間と連絡を取ろうとするが、という内容です。
タイトルやジャケットだとハリケーンも大きな脅威になってそうに思いますが、作中での扱いは強い雨と風というくらいで扱いはかなり軽いです。というか作中ではカテゴリー2のハリケーンって言っているのに、作品解説の「カテゴリー7のハリケーン」はどこから来たんだ…
比重が置かれているのは、家に押し入ってきた脱獄囚三人と主人公の母娘の攻防ですね。主人公達もただ脅されていいなりになってるわけじゃなく、反抗的な長女は作らされた料理の中に下剤仕込んだりとささやかながら抵抗するし、囚人たちの中でも唯一優しい黒人ジュークと事故で知的障害持ってる次女と絆を育んでいくドラマも良かったですし、足怪我してるけど唯一銃持ってるボス格のシンプソンに他の囚人が不満を募らせていくなど囚人達も一枚岩ではないのも程よいサスペンス生んでましたね。
「大草原の小さな家」のメリッサ・ギルバート演じる主人公の何とか必死でむずめ達を守ろうとする母親ぶりも良かったですし、反抗的な長女ニコールの強気な所も良かった。次女の純粋無垢な感じも好きでした。
三人の囚人も。冷徹で何するかわからない雰囲気漂わせてるボス格のシンプソンにお喋りで下品そうなタッド、物静かだけど優しさも見せるジュークとそれぞれキャラ立ってて良かったです。特にうるさく喋りまくって、コメディリリーフな感じのタッドがいい味出していました。軽犯罪者で作業に駆り出されてるはずなのに、シンプソンがやけにサイコで躊躇なく銃撃ったり凶暴過ぎないかと思ってたから、終盤で明らかになる事実には納得しました。でも、同じ名前の奴が何人もいて、看守も共犯だったとはいえいくらなんでもザルすぎないか。
ただ、TVMという事もあってか、囚人達も凄い凶暴って訳でもなく、凄い乱暴狼藉働いたりすることもないので、緊迫感はそんなに高くはないですね。
浮気して別居中の消防署長の夫が心配して様子を見に来て、助ける為に立ち向かいますが、結構アッサリ撃たれて行動不能になってそんなに活躍しませんでしたね。最後決死の覚悟で立ち向かっていった時も、結局主人公の奥さんが活躍したし。
ラストの攻防も結構アッサリ目に終わりましたね。それにしても主人公達向かったら結構強かったな(笑)タッドが娘に掴みかかろうとしたときも抑え込んでたし。
災害パニック要素はかなり低い、というかほぼないですが、密室サスペンスとしてはそれなりに楽しめる作品でした。