爆裂BOX

CODE RED コード・レッドの爆裂BOXのネタバレレビュー・内容・結末

CODE RED コード・レッド(2013年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ブルガリアの軍基地に保管されていた生物兵器ガスが爆発によって流出。人々がゾンビ化する中、女医アナははぐれた娘を捜すが…というストーリー。
「クライモリ デッド・ホテル」や「RE-KILL リ・キル対ゾンビ特殊部隊」のヴァレリーミレフ監督による、「インベージョン」と同時期にリリースされたこちらもTSUTAYA独占供給のゾンビ映画です。
第二次大戦時に開発されたゾンビガスが流出し、ゾンビだらけの街の中を娘とはぐれた女医やガスの存在を調査しに来た米軍特殊部隊のエージェントがゾンビと生存者も抹殺しようとする軍と戦う、という内容です。
第二次大戦中に生き延びたドイツ軍兵士の日記から秘密裏に使用されていた生物兵器の存在を知った軍の調査員ジョン・マクガヒーがブルガリア軍に潜入して調査をする前振りパートがちょっと長めですが、武器の横流しがバレるのを恐れた指揮官の大佐が隠滅の為に武器庫を爆破したことから、ガスが街に漏れ出してゾンビが発生し、サバイバルが始まります。娘とはぐれた女医アナと一等兵のハロルド、ジョンとアナの娘のミリアムのサバイバルが交互に描かれます。
ゾンビは顔などに水疱瘡の様な物ができる「プラネット・テラー」の様なグジュグジュグチョグチョなメイクです。ガスによってゾンビ化したという設定も「プラネット・テラー」っぽいですね。或いは「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」か。ゾンビはダッシュ系のゾンビです。
ゴアシーンは目潰し等がありますが、お食事シーン等はちょいちょいな感じですね。ただ食われて転がる死体などは割とグロいです。
タイトルでもある皆殺し作戦「コード・レッド」も生存者を射殺したり焼き払ったりと冷酷ですが、「28週後...」の徹底ぶりに比べるとちょっとヌルイかな。装甲車とのカーチェイスとかは盛り上がったけど。
走って襲ってくるゾンビ達をバンバン撃ち倒す銃撃戦なども盛り込まれていますが、予告で見たほど全編に亘ってという感じではないですね。基本は逃げています。
米軍の調査員ジョンを演じたマッチョ俳優ポール・ローガンは主人公かと思ったら最後にアッサリ退場したのは意外でしたね。ただ、少女ミリアムを守りながら襲ってくるゾンビ達を撃ち倒して進んでいく姿はカッコイイですし、散り際もドラマチックで悪くなかったです。女医さんの方が主人公だったんですね。というかどっちも主人公か。医者っぽい事してたのは最初の方だけで、こちらも襲ってくるゾンビを射殺して戦う母親として頑張ってました。彼女と行動を共にする新兵っぽいハロルドはイイキャラでした。足引っ張るキャラかと思いきや、娘の事で頭いっぱいなアナを時に叱咤激励しながら引っ張っていったりと意外と頼りがいありました。それだけに合流してすぐアッサリだったのは残念。アパートの文句ばっかり言ってるお婆さんもイイキャラでした。ゾンビになってからは怖かったです(笑)
武器を横流ししてて、更に隠蔽のために武器庫爆破してこの大惨事を引き起こした、指揮官の大佐は痛い目見るかと思いましたが、普通に最後まで生き残るとは思いませんでした。そこも含めて後味は悪いラストですね。というかジョンが必死であそこ迄守り抜いたのにあのラストはあんまりだな…
冒頭で出てきたWW2のドイツ兵ハンスの脱出サバイバルをメインで描いた方が面白そうな気がします。あそこはゴアシーンも銃撃アクションも気合入ってました。爆破もありましたし、一人生き残ったハンスが周りをゾンビに取り囲まれるシーンの絶望感も良かったですね。本当、どうやってあそこから生き延びたんだ(笑)普段のB級ホラーやゾンビ物ならナチスがゾンビ生成してそうですけど、これはスターリンの方が開発したという設定は新鮮だったかも。
アクションもそれなりにありますし、テンポもいいのでゾンビ映画好きなら観て損は無いんじゃないでしょうか。