シズヲ

さすらいの用心棒/暁のガンマンのシズヲのレビュー・感想・評価

3.8
ジェンマとマリオ・アドルフのドタバタマカロニ珍道中。コメディ色を取り入れた作品で、付かず離れずな関係を続ける主役二人のコントを中心に話が進む。彼らが騙し騙されながら旅を続けてるうちに何だかんだで友情が芽生えてしまう、という流れが奇妙ながら面白い。終盤近くまでジェンマのガンアクションが皆無なのも新鮮。とにかく溜めに溜めてからジェンマが銃さばきを披露するシーンは実に痛快だ。

本作のジェンマはかなり女好きでチャラいし、おまけに普通に良いヤツを嵌めて騙したりと結構ズルい。彼にしては珍しい役柄だけど、笑みを絶やさぬエンジェル・フェイスと上手く噛み合ってて絶妙な胡散臭さを醸し出している。そんなジェンマとつるんで頻繁に騙されるマリオ・アドルフは正直不憫だけど、なんやかんやで二人の掛け合いは憎めない。どっちも良いキャラしててグッと来る。コントを中心にテンポ良く描かれる道中旅は登場人物の魅力も相俟って楽しい。

マリオ・アドルフがお人好しすぎてジェンマに騙されっぱなしの関係が続いていただけに、二人の間に絆が芽生える流れにはもう少し説得力が欲しかったところ。所々のシリアスさもコメディ系の作風に対して若干バランスの悪さを感じた。でも何だかんだで楽しい作品なんだよな。ギャグもアクションもあってちゃんと娯楽作してるし、終盤の伏線回収っぷりもなかなかに爽快。弛みそうな空気を一気に引き締めてくれるエンニオ・モリコーネのサウンドも堪らない。
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