青二歳

フリー・ゾーン 明日が見える場所の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

オープニング5分強ずっと映されるナタリー・ポートマンのプロフィール。
婚約破棄したユダヤ系アメリカ人レベッカ(ナタリー・ポートマン)、ドイツ出身イスラエル人のタクシードライバーハンナ、アメリカ国籍パレスチナ人を夫に持つパレスチナ人レイラ、彼女たちの道行き。
登場人物の背景は断片的にしか語られず、社会背景も断片的にしか映されない。ドキュメンタリー監督とのことでその手法が面白い。大体の背景は分かるように回想や過去の時間軸をフィルムを重ねて表現されてはいるが、どこか掴みどころがない。他人の人生なんてその位遠いものなのなもしれない。特に英語、ヘブライ語、アラビア語でのディスコミュニケーションで、ストレスを募らせ三人がお互いを理解しきれないように、観客もまたそのディスコミュニケーションのストレスを感じていく作りがなんとも言いがたく上手い。

女三人がイスラエルパレスチナの関係になぞらえられていると観てもよいけれど、そうするとラストのレベッカが車から降りるところはギャグにしかならん…
何よりオープニングのナタリー・ポートマンの横顔が印象的なのだが、物騒なヘブライ民謡?歌謡曲?は失恋した時には絶対聞きたくない。
なお中東のフリーゾーン、フリートレードゾーンは国境のほか港湾エリアにも設置されているようだけど法律がザルなのか、他の免税地域と違ってあまり上手くいっていないらしい。
青二歳

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