榎木津

CASSHERNの榎木津のレビュー・感想・評価

CASSHERN(2004年製作の映画)
3.7
消化不良だったシン・仮面ライダーを評価するのに本作品を引き合いにする人が多かったので、改めて観直してみた。もちろん当時はこの社会的評価通りの低評価だったのが、今観ると可笑しいくらいぐいぐい引き込まれた。特に前半はとても丁寧に作られてる。

きっとこれもシン・仮面ライダーと同じく当時は観善微悪のアクションヒーローものを期待してたのに、本当の悪とは何かと問う絶望と不条理な脚本になったことが叩かれた要因だろう。あとはPS4並みのCGを馴染ませるため暗く見え難い画面処理にしたことや、アーティスティックな画面処理が鼻についたのかもしれない。何しろ当時は宇多田ヒカルを射止めた男として観る前から批判する気満々な人たちが多かったはず。そういうやっかみを捨てて観直すと結構いい映画だった。

改めて観るときっと忖度無しで選んだであろうキャストも豪華。唐沢寿明の無駄使い感あっても、庵野秀明の映画に足りないのはこのくらい熱い役者のポジションなんだと新鮮だった。
榎木津

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