ぶみ

ヒッチャーのぶみのレビュー・感想・評価

ヒッチャー(2007年製作の映画)
3.5
ハイウェイの果てに、地獄を見た。

デイヴ・マイヤーズ監督、ショーン・ビーン、ソフィア・ブッシュ等の共演によるスリラーで、ロバート・ハーモン監督、1986年製作の同名タイトルのリメイク。
たまたま乗せたヒッチハイカーに、執拗に追い回される主人公等の姿を描く。
オリジナル版は鑑賞済み。
主人公となる大学生をブッシュとザカリー・ナイトン、ヒッチハイカーをビーン、事件を追う刑事をニール・マクドノーが演じているが、オリジナルでは主人公がC・トーマス・ハウエル演じる青年一人だったのに対し、本作品では恋人同士のカップルという設定。
その主人公こそ違えど、それ以降の展開は概ねオリジナルをトレースしており、印象的だったトレーラーのシーンも健在。
また、登場人物の役名も同じで、オリジナルではルトガー・ハウアーだった狂気のヒッチハイカーを、本作品ではビーンが演じており、神出鬼没具合も同様ながら、ビーンの方がビジュアルがこざっぱりしているため、怪しげな雰囲気はハウアーの勝利。
また、主人公の乗るクルマが高級セダンのキャデラック・セビルから、同じGMのマッスルカー、オールズモビル442になっていたのもクルマ好きとしては見逃せないポイント。
何より、本作品の製作には、あのマイケル・ベイがクレジットされていることから、ヘリコプターを絡めたカーアクションや、派手なクラッシュシーンは本作品に軍配が上がり、まさにマイケル・ベイの真骨頂。
洗練された映像となっているため、オリジナルが醸し出す、ざらついた不穏な空気感には及ばないものの、理不尽なサイコ・スリラーとして満足できる仕上がりとなっており、古き良き時代と、マイケル・ベイ節が融合した一作。

俺を止めてくれ。
ぶみ

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