山賊に拐われた兄の救出を目指している女剣士(チェン・ペイペイ)が、孤児を養っている大道芸人と知り合う。勇猛果敢な女剣士の諜報活動を描いている、香港武侠映画の先駆的作品(カンフー映画が完成形となる以前の作品)。
主演女優のチェン・ペイペイは、梶芽衣子と志穂美悦子を彷彿とさせる、凛々しい眼力の持ち主。双剣スキルを体得しており、目の覚めるような攻撃コンボを繰り出してくる。小柄な体躯を猛スピードで翻していくところがカッコいい。
後半部に入ると、主人公の協力者となる芸人のリベンジ劇へと発展。ペイペイ不在の時間が多くなるが、芸人の名前をタイトルに冠しているため、元からそういうシナリオ。目上を食っていくカタルシスが絶妙。
映像のダイナミズムとケレンミに彩られており、「黒澤の用心棒→マカロニ・ウエスタン→香港武侠映画→カンフー映画」という一連の流れを読み取ることが可能。もちろん、「闘う女の美学」を楽しみたいという人にも、単純にオススメすることができる。