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マーティン/呪われた吸血少年のSのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

2021/11/22 名古屋シネマテーク

人間の血を求める自称84歳の少年が、いとこ(老人)の監視のもと、ペンシルバニアの町で生活するが...。
吸血鬼なのに陽光もニンニクさえも効かない少年マーティンは、ごく普通の人間として暮らし、時々沸き起こる衝動を抑えきれず、人を襲う。吸血行為が一種の性癖のように描かれるのが官能的である。
自らが何者なのかと思い悩み孤独を抱えるマーティンは、いとこの仕事の手伝いで出会った人妻と心を通わせたり、ラジオに人生相談をしたりと、切ない青春ものの様相を呈している。本当にマーティンは吸血鬼なのか、そもそも全てが彼の妄想なのではないかとも思える、曖昧さが何とも不思議な魅力を放つ吸血鬼映画であった。
いとこのクーダが『アミューズメント・パーク』で虐められた老人と同じく真白のスーツで現れたのが(リンカーン・マーゼルという同俳優)また何とも奇妙な感覚だった。

2021-328
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