母親の遺産相続の条件で兄妹3人がフランスのル・ピュイからスペインのサンディアゴまでの1500kmを一緒に歩く事に。同じルートを歩く人々も交えて総勢9人による聖地巡礼の旅を描いたロードムービー。
似たような映画で「星の旅人たち」がありますが、あの作品が傑作だったので、本作もずっと前から気になっていました。
やはり本作も傑作の部類。各々で問題を抱えた9人の長い長い徒歩での旅。最初は当然メンバーの関係性や体力の問題でグダグダ。幸先悪い形であっても、それぞれの悩みや問題を共有したり寄り添ったりすることで、次第にメンバー間の絆は固くなっていく。そして全員で終点のサンディアゴを目指していくという、こういう映画を求めるならまさしく最高の作品。
本作の魅力の1つはやはり道中の美しい景色の数々。これは「星の旅人たち」でもありましたが、ずっと歩き続ける過酷な旅でもそういった雄大な自然が大きな癒しになる。これが本当に絶妙な要素として、登場人物たちを包み込みます。
仲悪い3兄妹に加えて、アラブ系の若者2人、癌で闘病していた女性、女子高生2人とツアーガイドの9人。年齢も人種も立場も皆異なるのに、終盤ではメチャクチャ仲良くなっている。これぞ壮大な旅のマジック。ロードムービーの醍醐味が感じられましたね。
