爆裂BOX

ゾンビ・ソルジャーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビ・ソルジャー(2007年製作の映画)
3.8
技術者を名乗る男の護衛の為東ヨーロッパにあるドイツ軍の遺した地下壕のある地を訪れる7人の傭兵達。彼らは地下壕を探索中、折り重なった死体の山から謎の生存者を発見するが…というストーリー。
頭を吹き飛ばしても死なず、瞬間移動して襲ってくるというという「バタリアン」に次ぐ最強ゾンビの誕生です(正確にはゾンビというよりは亡霊っぽいですが)
謎めいた雰囲気が全編に漂い、オカルト的な空気を出しています。前半はちょっと日本の怪談映画っぽい雰囲気もありますね。更にその謎を投げっぱなしにせずちゃんと理由を着けているのもいいです(「フィラデルフィア・エクスペリメント」とはまたマニアックなネタですね)
全編を覆う湿った陰鬱な空気やオカルト風味な点など「デス・フロント」に雰囲気は似てるかもしれません。
ゾンビ兵士のメイクもいい感じで佇まいもかっこいいです。
神出鬼没で背後にそっと現れたりといった演出も日本の幽霊のようで不気味です。ライトをバックに闇の中に浮かび上がる姿は不気味ながらもかっこ良さも感じさせました。攻撃方法も主にナイフでザクザク刺しまくるもので、銃は最初以外使わないのも何か硬派な感じです。
主人公達傭兵部隊もいい顔したオヤジ揃いで女っ気がないのも硬派な感じでいいですね。持ってる武器がそれぞれ違うのも傭兵らしさを感じさせます。
後半、兵士を操る機械を作動させて一件落着かと思いきや思わぬアクシデントから更に絶望的な展開になっていくのも良かったです。救いのないラストも良いです。
数は少なく派手さはないながらも戦闘シーンもちゃんとしています。
色彩を抑えた映像も雰囲気を盛り上げています。
ただ、ゾンビのお食事シーンはないのでそれ目当ての人はがっかりするかもしれません。ゴア描写も殆どありません。
低予算で派手さはなく地味ながらも丁寧にしっかり作られた作品で、B級アクションホラーとしては拾い物の部類に入るのではないでしょうか。