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レディクンフー 激闘拳のJAmmyWAngのレビュー・感想・評価

レディクンフー 激闘拳(1980年製作の映画)
3.6
「男/女」「都会/田舎」「古い/新しい」といった二項対立のモチーフがそれなりに提示されはするものの、それらが何らかの形でカンフーとして表出するような様相が立ち現れては来ないので、コンセプトとカンフーが融合を果たしていない今作はラウ・カーリョン作品としては正直物足りない気がしました。

とは言え、クララ・ウェイの女性としての魅力がカンフー込みで味わえるし、結局最後に全部持っていくラウ・カーリョンもそれだけの壮絶な体技を披露してはいるワケですけれども、実際にはそのどちらをも満足に堪能できた気がしないのは、助演のシャオ・ホウがとにかく異常にウザいという事が原因の一つに挙げられると思うのです。

シャオ・ホウは『マッドクンフー 猿拳』の主役を演じた実力者ですけれども、コイツは一体いつまで猿拳を引き摺っているんだろうと思う程にひたすら挙動がやかましくて、このテンションはもうハッキリ言って基地外であるとしか思えずに、コイツのやる事なす事がことごとく不快なノイズとして感じられてしまった次第。

この人は主人公側のキャラクターではあるのですが、今までカンフー映画を見てきた中で一番の殺意をコイツに覚えてしまいまして、カンフーの本質的な要素である徳だとか寛容な心というものがまったく備わっていない自分自身を私は認識したのであります。

まだまだ修行の足りない未熟性を改めて自覚した事により、これからもますますカンフー映画の鑑賞に身が入ってしまうワケですなあと思うのでありました。劇終!
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