Mitan

ブエノスアイレス 摂氏零度のMitanのレビュー・感想・評価

3.1
映画「ブエノスアイレス」の舞台裏を、撮影クルー、キャストのインタビューなどで見せる1本。はじめは、「こういうのいるのかな?」って思ってたんだけど、ウォン・カーウァイ監督作品、とりわけ「ブエノスアイレス」にはこれ必要だなと実感。

まず、最初の時点で決まってたのは2人の登場人物。細かいことは何も決まっていなかった。
そこから、まるでシミュレーションをするように、監督はいくつもの2人の「人生」を撮っていく。
トニーがインタビューで、まったく知らない、地球の正反対の地でこの先の見えない撮影をすることがいかに過酷だったかというのを切々と語っていて、いやー、監督ほんま鬼やなと思いました笑

更にすごいのが、女優さん2人使ったのに、彼女たちが出てくるストーリーを一切カットして、無き者としていること。これすごいな。

監督の中で、これもありだな、
これもいいかもって、色々と試行錯誤して、最終的に納得のいく形としてあの「ブエノスアイレス」があったのだと思うけど、カットされた部分だけでも、おそらくもう2本くらい映画作れるんだろうな。

この映画に関わる人たちの思いを感じた一本でした。
Mitan

Mitan