ヘラルドスクエア

ブッチャー・ボーイのヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

ブッチャー・ボーイ(1997年製作の映画)
3.4
さすがのニール ジョーダン監督の問題作。
名作かな。
アイリッシュ訛りのくそガキがいい。
ロンドンから来たスノッブな婦人を執拗に攻撃する。カトリックとプロテスタントのアイルランド紛争をこんな風に描いちゃいます。
かなりヤバみのブラックで過激なネタなのに、思春期の子どもの視点でナイーブに表現しています。
とってもセンスのいいコメディで、カルト要素も十分な作品です。
玄人受けしますね。
札付きの悪童がやりたい放題の末に矯正施設へ。
苦役作業中に農園で天啓を受けるなんて、マニアックです。
時代の空気は世界の終わり。冷戦とキューバ危機、原爆。
サブカルにも配慮が行き届いていて
ローン レンジャー、ターザン&ジェーン、逃亡者、ジョン ウェイン騎兵隊、宇宙人など。
音楽はどれもかっこいい。
この間亡くなったシンニド オコナーさんが聖母マリア役です。RIP
彼女はSNLでローマ教皇の写真を破り捨てて、命の危険にさらされるほどのバッシングを受けましたが、その彼女がマリア様…。あまりに危ないひねり方ですね。
驚くことに、彼女はこの映画のあとミュージシャンから女性司祭に転身するんですけど。
いろいろ物議をかもした作品です。