りょうすけ

ブッチャー・ボーイのりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

ブッチャー・ボーイ(1997年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「ブッチャー・ボーイ」

いじめっ子と自分の親友が仲良くなったことに嫉妬し、いじめっ子の母親を殺害するまでの少年の精神的経緯を描いた作品。「マイケル・コリンズ」のニール・ジョーダンの監督作品で、アイルランドが舞台になっているため本作でもコリンズの名前が出てきていた。

子供ということも大きいと思うが、人間を悪の道に突き動かす最大の理由は嫉妬なんだとつくづく思う。母親が自殺していたり、父親がアル中のDV男だったりと原因はかなり多いけど、家庭環境+αで主人公を変えた何かがあるし、それが現実的な話だからまた怖い。

中盤、修道院で優良児にまでなったのに戦争でイカれた神父に手を出された挙句、面子を保つため他の神父から黙っていて欲しいと事実を隠蔽されるシーンが結構胸糞だった。「スポットライト」みたいに葬られそうになった聖職者による性被害もかなりあったんだろうな。

未来の主人公が過去をユーモラスなナレーションで振り返るというスタイルが凄く面白かった。ブラックコメディと呼ぶのに相応しい内容ではあるが、少年犯罪というセンシティブな内容を扱っていることからも社会派コメディとも言えると思う。

今も俳優を続けているのか不明だが、主人公の少年を演じたイーモン・オーウェンズの圧倒的な演技には度肝を抜かれる。
りょうすけ

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