寂々兵

マージン・コールの寂々兵のレビュー・感想・評価

マージン・コール(2011年製作の映画)
4.1
首切り人がオフィスに大挙して集団解雇を行う序盤からもう不穏すぎて悶絶。残されたUSBから発覚する世界経済崩壊の予兆、清閑な深夜のオフィスに上司、その上司、そのまた上司が続々と集ってくる尋常ならざる緊迫感、重役衆を引き連れて現れるCEOジェレミー・アイアンズの大ボス感と、彼らを前に事態の説明を求められる新米ザカリー・クイントの会議シーンに就活生は昇天。「ずっと憧れていた仕事でした。(だからクビにしないでね)」と乞うペン・バッジリーに髭を剃りながら「そうか」と一蹴するサイモン・ベイカー、CEOに脅しをかけるも返り討ちにあうデミ・ムーア(窓際で朝を迎えるシーンが至福)、何でもできそうだが特に何をやるわけでもないポール・ベタニーとインディーズの割にキャストが豪華すぎて笑う。家族のドラマとかしょうもない要素を丸ごとすっ飛ばした無駄のなさも見事。尊厳を打ち砕かれた悲哀の管理職スペイシー、掘るのは誰の墓穴か?まるで『ニューヨークの一番長い日』。大好きな映画。
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