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知りすぎた少女のadeamのレビュー・感想・評価

知りすぎた少女(1963年製作の映画)
3.0
ジャッロ映画の始まりとなったマリオ・バーヴァの記念すべき作品。
ローマにやって来た主人公が到着早々に叔母の死、引ったくり、殺人の目撃と散々な目に遭い、自らも殺人犯の標的となりながらも真相を突き止めようと奮闘する物語です。
バーヴァ自身がバカげていると語った通り脚本には穴が多く、謎解きとして楽しめるかは微妙ですし、途中で突然第三者のナレーションが饒舌に心の内を語り出すのも苦笑ものでした。
一方でバーヴァがフォーカスしたテクニカルな面には見どころが多く、工夫を凝らしたカメラワーク、モノクロならではの影の使い方、キスで繋げる場面転換、水面風の回想シーンとユニークな演出が目白押しでした。
本編に関係ない伏線を回収する小粋なユーモアで締めるあたりも気が利いていました。
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